これまでコスプレイベントの撮影といえば静止画でしたが、最近では動画撮影をする人も多く見られるようになってきました。
そんな中、GLIDECAMとブラシレスジンバルを持って様々なイベント会場で動画撮影をしている人気チャンネル「Mkdy Film Works」のたけくる(T.K)(Twitter:@huskymoto)さんのコミケ97の撮影に今回密着取材しました。
どのようにしてハイクオリティな映像を撮っているのか、どのようなコスプレイヤーを撮りたいと考えているのかを撮影現場に密着し聞いてきました。
まずはコミケ97でたけくる(T.K)さんが撮影した動画をご覧いただきたい。
コスプレイヤーの魅力を引き出す構成と映像美・・・素晴らしいのひと言です。
今回使用した機材
・レンズ:SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM/10-20mm F3.5 EX DC HSM/50mm F1.4 DG HSM
・スタビライザー:GLIDECAM HD-4000
いざ、撮影に同行
コミケでは朝一番のエントランスは空いていて撮影するのにベストとのことなので、着替えを終えてエントランスに出てきたコスプレイヤーに声を掛け出演を依頼します。
撮影後は必ずモニターを見せ動画をチェックしてもらいます。
動きの指示を出してマント等の小物がある場合は上手く使用した演出をする。会場が空いている時間帯なので大きくエリアを使った撮影が可能。
陽が昇り始めてきたところで防災公園に移動し再び撮影。ここでもなるべく人のいないスペースを見つけ撮影します。
人が多い場合は動き回らずにカメラのズームやピント調整で奥行きのある演出で対応する辺りも技術が光ります。
新調したカメラで撮影してみて掴んだ手ごたえ
今回はカメラを新調し撮り方もいつもより変更しあまり動きすぎないで魅せることを心がけました。
コスプレイヤーの方に関しては、ネタコスではなく肌が見える方をメインに撮りました。
撮影する立場から言うと、肌というものはすごく敏感なもので少しでも露出を間違えると汚く見えてしまいますし、明るくしすぎると飛んで真っ白になってしまうので、そこの微妙なところを特に今回は気をつけて4Kの高精細で撮りました。
四分割構図や日の丸構図はもちろん意識しましたが、横の動きだけでは立体感が出ないので前後のフォーカスを使うことで動画ならではの立体感を演出しました。
また一番重要なことは、音と映像がリンクしていても場面転換(トランディション)が強引だと見ている方は違和感を感じてしまうので、その違和感を無くすように完成形をイメージし撮影することを意識しました。
これまでのFHDでは少々ピントが合っていなくてもシャープネスを上げたりすれば正直なところ多少誤魔化すことも可能だったのですが、今回のカメラは4Kですのでその辺りシビアできちんと瞳に合っていないと見る方に分かってしまう為、今回は逆に撮影時にあまり動かなかったという側面も実はありました。
これまでは18-35mmのレンズを使用しズームをメインにし、広い場所では超広角を使うことで使い分けをしていたのですが、今回はあえて50mmの単焦点レンズ(35mm換算で75mm)をF1.4開放で撮影することにも挑戦しました。
今回のレンズは背景と被写体が完全に分離されるので、ボケた背景から被写体が浮かび上がることで物理的にも人間の心理的にも被写体へ視線の誘導が可能になり本当に見せたい部分を見せることが出来たと思います。
やっぱり映像は動きを出して臨場感を伝えられるものなので、剣などの武器やマント、メガネや帽子などの小物があると撮りたくなります。
個人的な考えでは、せっかく撮影させてもらうので必ず作品の中で使用したいと考えています。撮らせていただいたのに編集して切ってしまうのは失礼ですからね。
まとめ
70万回も再生されている映像を作られているだけに、撮影に対するこだわりはもの凄くプロ意識を感じました。
本当にコスプレイヤーさんを美しくカッコよく映す演出はアイデア満載で撮影風景を見ているだけでも面白い!
「冬コミは日が暮れる時間が早く午後2時半には西日になってしまうのでとにかく時間との戦いです」と語り時間内に数多くのコスプレイヤーさんを撮影するために絶えず動いていました。
今回、emoma!でもコミケ97にて映像制作を依頼しましたので素晴らしい映像を下記よりご覧ください。