「16万円くらい損しました…泣き寝入りしかないのかな、絶対にここで注文しないでください」。コスプレ衣装のオーダーメイド専門店「超リアルコスプレ」に注文した衣装のサイズが間違っていた、しかも作り直すと言ったのに音信不通になったというコスプレイヤーねるねさん(Twitter:@nemuru_mdd)のツイートが、1日余りで7,000リツイート以上も拡散されました(執筆時点)。
なんて悲しく腹立たしい事なのでしょう。
でも残念ながらこのような被害にあっている人は決して少なくはありません。
同じ手口に合う人をこれ以上増やさない為にも、ねるねさんに事件の全容を詳しく聞きました。
またこちらの記事「騙されない!コスプレ衣装オーダーメイドの相場・優良ショップの選び方・依頼方法!」も是非参考にして、悲しい被害に合わないように気をつけてください。
コスプレをしていると衣装をオーダーメイドで作りたくなりますね。 身長や体型が既製品に合わない場合、気に入る既製品が見つからない、自分で作ることが出来ない…などなど、オーダーメイドで衣装を作りたい場合があります。 最近ですと女装・男装のコ[…]
事の発端
ねるねさんが注文をしたのは、超リアルコスプレが高品質だと謳うオーダーメイドのコスプレ衣装。打ち合わせはメールで手軽にでき、ネット上の簡単注文を売りにしています。
<超リアルコスプレHP:http://cosplay.rui-dress.com/>
【追記2020/1/23】現在は運営元が変わりURLも変更されています:https://neolarge.jp/
ねるねさんは2018年4月に注文。事前にメールで採寸サイズや希望を伝え、6月に入金をしたところ、8月には衣装が届きましたが「塗装はバリバリに剥がれるし、足すら通せない」ほどサイズが合わなかったそうです。
そのせいで予定していたイベントへの参加ができず、苦情のメールを送ったところ「作り直します」と言われたので衣装を全て送り返しました。
その後、9月上旬に状況を問い合わせるメールをして製作中だと返事をもらったものの、10月に入ってから間を空けながら状況確認で送った計4通のメールに対して返信はありませんでした。
ねるねさんは10月17日、ほかのコスプレイヤーが同様の被害に遭わないように「絶対に超リアルコスプレでは注文しないでください」と拡散希望のツイートをした経緯を伝えています。
ひとまずは和解となる
ツイートは大きな反響を呼び、その直後に超リアルコスプレからねるねさんに返信が来たそうで、遅れたお詫びとともに「制作側に問い合わせていたので回答待ちの状態だった」「衣装は11月中旬に完成・納品する」といったことが記載されていたと言います。
また、「衣装は製作・修正中なので、キャンセルや返金の対応ができない」と言われたため、ねるねさんは了承しつつも「発送前に完成した製品を写真で確認したい」と伝えました。
超リアルコスプレは、完成した製品は必ず写真に取って送ること、確認の段階で不具合などがあればその都度修正して画像で確認してもらうようにすること、諸々の再発防止に努めることを約束してくれたそうです。
問題はどこにあったのか?
ねるねさんに訊いたところ、「電話を何度もかけたのに出てくれず、メールも返信してくれなかったこと(超リアルコスプレを運営する株式会社RUI-BOXの公式Twitter(@rui_box)ではその間もツイートをしていたにもかかわらず)」が一番の不信感に繋がったと言います。
また、ねるねさんのTwitterのDMには同様の状況でねるねさんのツイートが拡散された後でメール返信が来たというまみさんを始め、衣装のクオリティーに満足していない人の声が寄せられているそうです。
しかし、Twitterで超リアルコスプレの評判を検索すると、過去に発注したとおりのものが届いたという人も見られます。
同時期にねるねさんのように音信不通や衣装が届かないケースが発生したのは、制作側に何かトラブルがあったのでしょうか。
真相を電話で直撃
和解もしたと言うこともあり、事の真相を知るために筆者が同店に電話で問い合わせたところ、超リアルコスプレの責任者である女性に話を訊くことができました。
はい。多くのお客様に返事が遅れたことをお詫び申し上げます。色んな事が立て込んでしまい、対応が遅れてしまいました。
まず、今年8月に当店がそれまでの株式会社RUI-BOXからNEO LARGE(責任者である女性から聞いた会社名)に業務委託されることになったんです。その移行期間で電話が繋がらなかったのだと思います。現在もお客様対応のために株式会社RUI-BOXのメールアドレスなどは使っていますが、ドメイン移管やサイト構築などの手続きも進んでいます。そのため、お客様のメールが確認漏れや迷惑メールフォルダに入ってしまう事態が発生しています。
あちらは自動でツイートするように設定しているみたいです。
それだけでなく、当店では契約している海外(アジア)のコスプレ専門のデザイナーに制作依頼をしており、普段はSkypeのやり取りをしています。ところが、電波が悪くて繋がらず進行の伝達や確認ができなかったり、サーバーの不調でお客様にメールの返信ができなかったりした時期が重なりました。
あと、当店は九州にあって完成した衣装は関西国際空港を経由して届けられるのですが、9月に起きた関西への台風被害で関西国際空港に届くはずだった衣装が税関を通るまで時間がかかったり、代わりに成田空港に送られたりするなど、衣装届くまでに時間がかかってしまいました。
やはり、言い訳になってしまいますから、見通しがついてから連絡しようと思っていました。
いえ、返信をした人も中にはいるかと思います。実は当店のスタッフは私一人でメール対応や衣装製作の指示書作成、現地スタッフとのやり取り、スケジュール管理など全てを対応しています。
大変恐縮ですが、どうしても漏れてしまうことはありました。また、私事ですが体調の問題で不安定だったのもあり十分な対応ができなかったと思います。
運営会社ではなく、私個人の対応のまずさゆえに多くのお客様にご迷惑をおかけしました。現在は返信が遅れていたお客様に、発送予定日などをメールでお伝えしています。
ほかの同業者もそうだと聞いていますが、製作費を抑えるために生地はベトナムなどアジアで購入しているのもあり、日本ほど品質が安定していない面もあるかと思います。あと、現地で完成した段階で製品は写真で確認したうえで、サイズに関しても現地から当店に送ってもらって必ず確認するのですが、明らかに大きい、小さいといったことならすぐ気付けても、裾がちょっと短いなどの違いは気付きにくいことがありました。
また、お客様にどうしても急いでくれと言われれば、当店のチェックを通さずに海外から直接ご自宅に届けることもありましたので…それでも、あとから「修正してくれ」と言われれば必ず対応するようにはしてきました。これからもそれは変わりません。
最近ご依頼頂いた他のお客様より「Twitterでこういった状況になっているけど、大丈夫なのか?」と問い合わせがあって気付きました。影響は大変大きく、受注が大きく減っている状況です。もちろん中にはきちんと状況を説明して何かあれば対応をお約束すると納得して頂けるお客様もおります。
※ ※ ※
責任者の女性は今後は同様のことを繰り返さないように、制作進行やメール対応の改善を図っていくとのことでした。
コスプレイヤーにとっても、衣装製作会社にとっても良い方向へ
今回は音信不通でさえなければ、これほど大きな問題に発展しなかったかもしれません。
そこに関しては、撮影会に照準を合わせているコスプレイヤーへの配慮、業者としての責務の問題になってくるところかと思います。
あるいはコスプレイヤー側にも、業者がどのような素材を使っているのか、制作進行はどうなっているのか、用心深く疑うことが求められる時代なのかも知れません。
下記に安心して発注できる業者を選ぶポイントを挙げておきますので、チェックしてから発注する業者を決めてみるのも良いかと思います。
ねるねさんのツイートが業界全体にとってプラスになればと願います。
怪しいサイトの見極めるための心がけ
今回の件とは別に、ネット上でやり取りが完結するコスプレ衣装製作の専門店が増えており、初めて利用する人は不安もあるでしょう。
最後に、もしもこれが当てはまったら注意が必要なチェックポイントをまとめました。
・他作品の版権画像を自サイトで勝手に使っている疑いがある、または作品名をはっきりとサンプルに載せている
・掲載しているサンプルが他サイトや個人の制作物の転載である(画像検索で類似画像を検索して同じ物が出てくる場合、詐欺でないにしてもサンプルと同じ物が届く可能性が低いと思ったほうがいい)
また、そのサイトの企業名やショップ名でTwitterなど検索をかけ、他の人の意見を参考にするのもおすすめです。サイトのレビューは架空である場合があるからです。
まとめ
コスプレイヤーはより良いショップを見極めて衣装製作をすること、衣装製作会社にはコスプレイヤーに信頼してもらえるような真摯な対応をすることが、双方にとって良い結果に繋がるのは間違いありません。
【追記2020/1/23】
その後、業者からは返金対応は絶対に出来ないと言われ、作り直した衣装が送られて来たそうです。
しかし、ねるねさん本人は送られてきた衣装が気に入らず一度も撮影に使用していないとのことでした。
画像提供:ねるねさん(Twitter:@nemuru_mdd)
ライター/日本コスプレ通信(Twitter: @cosply2017)
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