~World Cosplayers~第4回はオーストリア人コスプレイヤーケーキ姫さん。
オーストリアやドイツでは知らない人がいないほど有名なコスプレイヤーさん。
5年もの準備期間を経て、満を持して日本に引っ越しされたものの今は活動がなかなか難しいという厳しい現状にいらっしゃいます。
ケーキ姫さんはドイツ語・英語・日本語が話せるトリリンガル。
実はemoma!の「World Cosplyers」特集記事の英訳もしてくださっているのですが、他にも沢山の才能に溢れていて色々な活動をされてきました。
今回は前編・後編に分けて、その多くの活動や今後の展望など沢山語って頂きました。
この機会にケーキ姫さんに魅力に更に迫って、是非日本に来てくれたコスプレイヤーさんを応援しましょう!!
Click here for English ~World Cosplayers~第4回はオーストリア人コスプレイヤーケーキ姫さん。 オーストリアから日本へ引っ越してきて、夢を叶えるべく奮闘されているケーキ姫さん。 前編・後編に分[…]
【~日本から世界へ、世界から日本へ~】
emoma!編集部が注目する、日本または海外で活躍するさまざまな国出身のコスプレイヤーをさまざまな角度から魅力に迫っていく特集です。
オーストリアでの活動
そうです。
「オーストリア人です」って言うと「オーストラリア!?すごい! 」って言われちゃうことがあるんですけど、オーストリアです。
日本ではオーストリアの存在を知らない人にもたまに会うので、少し落ち込んじゃいます。
私の住んでいるウィーンは“音楽の都”と言われているので、日本人の大学生が来ていたりしているんですけど、住んでいる日本人はあまりいないんですよね。
たまに地下鉄とかで日本語が聞こえてくると「あ!話しかけたい!!」ってテンションが上がっちゃっていました。
最初はウィーンじゃなくてザルツブルクで活動していて、オーストリアとかドイツとかの大きなイベントに行ってコスプレしてました。
オーストリアは小さい国だけど、イベントもいっぱいあるので「日本が好き」「アジアが好き」って人達はコスプレを知っていてイベントに参加します。
今はオーストリアの人たちは大体みんなコスプレイヤーの私を知ってくれています。
でもブラジルとかではゲストとして呼ばれたけど、実は私オーストリアでは1回しかゲストに呼ばれなかったんですよ。
認知度はあったのに、オーストリアの人じゃなくて海外からゲストを呼びたかったらしいんですよ。
「あー不公平だ!!」と思って「何で私を呼ばない!?日本で活動してたから日本人みたいなもんだし、ゲストとして呼んでくれたら面白いのに!!」って言ってましたけど「しょうがないよ、ルールだから」って言われてしまいました…。笑
お仕事で言うとブラジル最大のアニメイベント「Anime Friends」っていうイベントに2回ゲストとして出演させて頂いて、それがきっかけでオフィシャルコスプレイヤーになりました。
また、クラスメソッドという会社の「めそ子」というキャラクターがあって、そのドイツ語声優と英語声優と公式コスプレイヤーを全部やらせて頂いています。
クラスメソッドという会社は日本の会社なんですけどドイツやカナダにもあって、AmazonWebサービスに関わっている大きな会社です。
始めそこで私はドイツの通訳の仕事をさせてもらってたんですけど、私が歌とコスプレもやっているということで、キャラクターになりきって通訳・声優・歌・コスプレ全部やってくださいということになったんですよ。
日本のAWSサミットにも呼ばれて、めそ子の衣装を着てお仕事してました。
曲もAmazonミュージックにもあるので、是非聞いてみてください。
人数はもちろん全然違いますし、日本のイベントは企業ブースがいっぱいあったり、サークルブースがいっぱいあったりしますけど、海外はそれが全然なくて。
日本からインポートしたぬいぐるみとか食べ物とか売ってるブースは沢山あるんですけど、すごく高いんですよ。
ラーメンも売ってるんですけど、全然ラーメンの味しないし。笑
ステージでコスプレショーとか行われるんですけど、やっぱり日本とは全然違う雰囲気なんですよね。
しかも私達は大体チケット買わないし、イベント会場の中に入らないで楽しんでいるんです。笑
あと着替えに関して厳しさが全然ないんですよ。
オーストリアとかは家で着替えて武器も持った状態でイベントに行くんですよね。
これすっごい楽!ストレス貯まらないんですよ。
日本だと周りに100人とかいる中の小〜さなスペースの床に座って、着替えてメイク全部やって…本当に大変でめっちゃストレス溜まるじゃないですか!?
あとオーストリアは衣装のチェックもなくて、ストッキングも履く必要ないし、本人が良ければ何かちょっと出ちゃってもいいよっていうくらいなんです。笑
別に私は見せたい訳じゃないですけど、そのゆるい感じが楽なんです。
それが実際恥ずかしいんですよ。
家から衣装着て武器持って地下鉄とかバスとか乗って行くと凄い注目されるんで。笑
それにやっぱり海外だと日本に興味持った人しかコスプレを理解出来ないし、知らない人も沢山いるので、イベント会場に着くまでは恥をかくのは仕方い、乗り越えるしかない。笑
コミコンとか大きなイベントだと何となく情報が流れて「今日はコミコンだから変わった人たくさん見られるかもしれない」って思われてるんですけど、地方の小さいイベントだとみんな「お前どんな格好してるんだよ」ってビックリされます。
逆に大きなコミコンとかだと全く関係ない地方からの町から衣装着てたまま電車で2時間とか乗って来る人もいるんです。笑
友達に「気にしないの?」って聞いたら気にしないみたいで、私だけ少し気にしてるみたいなんですよね。
日本はみんなコスプレを知っているし、コミケなんてニュースで流れているし、家から衣装着てきても海外より問題ないんじゃないかな?と思うんですけど、歴史の中で駄目ってなってるんですよね。
ニコ生で日本語の勉強
14才くらいの時お母さんからクリスマスに『テイルズ オブ シンフォニア(TALES OF SYMPHONIA)』をもらったんです。
最初は14才だったから難しそうで怖くて、お兄ちゃんがやっているのを見ていただけだったんですけど「あ、この絵かわいい!キャラクターかわいい!!」って気になって。
調べたら日本のゲームだって知って、日本に興味が湧いてきたんです。
そこから日本のアニメとか日本の音楽とかすごく好きになって、自分でアニメ風のイラストを描くのが一番の趣味になって。
日本が全部好きになったから、もっと日本を理解したいっていう思いで日本語を勉強し始めたんですけど、私は怠け者なので日本語を勉強する為に学校とかレッスンとか通いたくないんですよ。
自然に覚えたかったんです!
ニコニコ動画っていうWebサイトを発見して、ニコニコ動画の生放送だったら日本人の友だちも出来るし、日本語も上手になるんじゃないかと思って始めたんですよ。
そうなんです!10年前ですよ。笑
その時、唯一の外国人生主が私だったから、本当に「こんにちは」とか「ありがとう」しか言えないぐらいの段階で始めたのに、一枠目から視聴回数が1,000人いってました。
日本語しゃべれないのに、画質悪いのに!初めから!!笑
でもそこで私は日本語出来ないことを認めたくなったんですよ。
14才の私は変なプライドがあったんです。笑
生放送とは違うタブを開いて、理解出来ないコメントを拾って意味と読み方を調べて、読めるフリ・理解できてるフリをしてたんです。
そしたらみんなに「すごい日本語しゃべれる!頭良い!なんで魑魅魍魎とか知ってるの?読めるの!?」って頭良いって言われて私すごい嬉しかったんですよ。
全部詐欺だったのに。笑
でもこんな詐欺のお陰で、一つ言葉を調べたら頭から離れなくなったんですよ。
日本語出来なかったくせに、一つ翻訳する度に全部そのまま自然に覚えちゃった。
すごいよね、自分でもすごいと思った。笑
そうやってみんなに褒められて嬉しくて生放送の中毒になっちゃって。
毎日放送してたら伸びていって1年間で日本語ペラペラになっちゃった。
私の友達でも日本語覚えようとする人いっぱいいるんですよ。
大学通って何年も頑張って、普通は5年間でペラペラになれる感じだけど、私は1年間で覚えられたっていうのは、ほんとに凄いなって自分でも思う。笑
やっぱり語学は毎日しゃべらないと覚えられないじゃないですか、。
多分私のやり方は日本に留学したと同じような感じで毎日話せる方法で凄く正しかったなと思います。
でも、「マジ勘弁」とか変な言葉もいっぱい覚えちゃって、最初は日本語が汚いって言われちゃってましたけどね…。
まぁしゃーない、しゃーない。笑
コスプレのきっかけは“アスカ”
これも生放送の中でのことなんですけど、一時期オレンジに髪を染めていて長さも同じくらいでドイツ語もしゃべれたからみんなに「アスカだ!」っていっぱい言われてたんです。
そしたら一人のファンが私に制服とプラグスーツを日本から送ってくれたんですよ。
それで生放送でウィッグなし、カラコンなしでコスプレしたらみんなに「リアルアスカだ!」「リアルアスカだ!!」ってめっちゃ言われて。
それが初めてのコスプレだったんですよ。
褒められると伸びるタイプなんで、そこから“コスプレ楽しいな!”って思って!
どんどんやりたくなったんですけど、本格的にやり始めたのはアイドルを辞めてオーストリアに帰ってきてからです。
そう!始めはゲームから日本にハマっていったんですけど、本当に“日本の地獄に堕ちた”のは日本のアイドルですよ!笑
ハロープロジェクトにすっごいハマってしまって、完全にオタクだったんです。
日本に行く度にヤフオクでチケット落として、良い席を取って、コンサート行ってました。
めっちゃお金かけました。笑
一番良い席取れたのは、前から2列目だったんですよ!!!
当時ハロヲタの世界では隣の席の人がたまに「あ、ケーキ姫ですか?」って聞いてくれるくらい、ちょっと知られてたんです。笑
10年前に動画で“踊ってみた”とかやろう!と思った時に、頭良いから本名は出しちゃいけないと思って。笑
それで覚えやすくて他の人が使ってない名前を考えてみたら“ケーキが大好き”っていうのと“お姫様になりたかった”っていう15才の私の思いを合わせてケーキ姫にしました。
それにもしかして有名になったら、誰かが本物のケーキだらけのスタジオ用意してくれて撮影出来るんじゃない!? 撮影終わったらそのケーキ全部食べられる!!と思って。笑
でもそれはまだ叶っていないです。
今年叶ったらいいな。
ケーキバイキングのCMとかもやりたいな。
まとめ
前編はオーストリアのコスプレ事情やケーキ姫さんの活動、そしてまさかの元生主やハロヲタだった頃のお話しを聞かせていただきました。
ケーキ姫さんにはYouTubeでemoma!ちゃんねるとのコラボ動画を撮影して頂いたので、そちらでニコニコ動画で鍛えられた流暢な日本語もお楽しみ頂けます!
後編でもアイドル活動・初来日での苦労・今回の日本滞在で絶対に成し遂げたいことなどなど沢山聞かせて頂いたので是非お楽しみください!
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