読者の皆さん、はじめまして。
このたびemoma!で執筆をさせていただくことになりました、みきさゆりと申します。
結構長い間、ゆるーくコスプレを続けております。
現在アメリカのカリフォルニア州というところに住んでいるので、emoma!ではアメリカのコスプレ文化や日本とアメリカの違いなどなどを、皆さんにシェアできればと思います。
アメリカのオタク文化の現状
今回はコスプレといえば「コスイベ」ということで、アメリカのコスプレイベント事情についてお話します。
この記事を読んでいる皆さんは知っているかもしれませんが、海外でも日本のオタク文化(アニメ、漫画、ゲームなど)は非常に高く評価されています。
もうずいぶん前からヨーロッパや北米をはじめとして、各国に様々なオタク文化が輸入されてきました。
特にこの5~10年はストリーミングサービスの充実で、海外でもアニメがたくさん見られるようになりました。
作品によっては日本の放映と同じタイミングで公開されます。
このことにより「これでTwitterでのネタバレが回避できると泣いて喜んだ。」と4ch(アメリカの匿名掲示板)にも書いてありました。
また、漫画も公式に仲介する出版社と翻訳会社の充実から、海外の方も母国語で漫画やライトノベルを楽しめるようになりました。
普通の本屋さんにも日本の漫画コーナーがあり、もちろんオンラインでも購入できます。
筆者が、オタク文化を取り扱った海外でのイベントにはじめて参加したのは2012年。
当時、大学生だった私はバイトをクビになり、リフレッシュで訪れたサンフランシスコで、開催されていた”J-pop Fes”という小さなイベントに参加しました。
現在はロサンゼルス在住で、いくつかイベントに行ってきたので、今回は日米のコスプレイベントの違いをシェアしていきたいと思います。
そもそも、コスプレイベントがない!?
まず本記事の文中に出てくるアメリカでのイベントとは、”コンベンション(展示会)”というものです。
日本にあるような会場を貸切ったり、きちんと管理する会社が入ったりするような規模のコスプレイベントは今のところないようで、コスプレイヤーやオタクの交流の多くは、オフ会(Meet-up)です。
このオフ会は、ビーチや公園などの公共や、ハウスパーティー形式の場で集まる場合はたいてい無料で、クラブイベントなどの場合は有料で事前にウェブサイトでチケットが購入できるようになっています。
このような有料イベントは、コスプレイヤーやオタク系のインフルエンサー、Youtuberなどがインスタグラム上で案内や宣伝をしていることもあります。
ただこれらのオフ会も、”コスプレイヤー”にターゲットは絞られていません。
アメリカ人コスプレイヤーのKOKOROちゃん(日本語も話せる心強い友人、才女、めちゃくちゃ優しい天使)にも、なぜコスプレイベントがないのか聞いてみました。
「現状、そこまでの需要がない(コスプレイヤーの人口が少ない)から採算が合わないけど、需要は年々大きくなっているからそのうち日本みたいなイベントもできそうだよね!オタク文化は日本から輸入してるから、システムごと誰かが持ってきそう!」と言っていました。
さすがビジネス専攻!的確です!(笑)
コンベンション(展示会)とは?
コンベンション(convention)とは、日本語では”展示会”です。
日本でもある、アニメジャパン、TGS、ワンフェスのようなもので、出展者は基本的に企業で、多くはビジネス向けのものです。
プレスリリースや商談も多く行われますね。
アメリカではコミケのような素人が出展できるブースも充実していて、企業エリアと同人エリアがうまく分かれています。
コスプレもこの場で楽しむのが一般的です。
キャラクターの衣装をまとったコスプレイヤーや、原宿系といわれるロリータファッションなどの人もいます。
もちろんカメラマンさんもいますよ。
日本のコミケなどのようにコスプレエリアが限定されていないので、コスプレをしていると色々なところで「撮ってもいいですが?」と声をかけられます。
カメラマンの人口も日本ほど多くないので、”囲み撮影”や、”列ができる”現象は、基本的に起こりません。
みんなうまくタイミングをみて撮影しています。
その中には顔見知りや友人のカメラマンと、会場でガチ撮影をしてる場合もあります。
筋骨隆々なセキュリティが各会場にたくさんいて、その人達に注意されなければ原則どこを使っても大丈夫だそうです。
イベントでカメラ機材がすごい量になっているカメラマンたちがいるのは日本もアメリカも同じです(笑)
写真のような日本で多く見られる企業ブースに立つコスプレイヤーは多くはありませんが、最近増えてきました。
そのようなコスプレイヤーも各ブースのゲストやモデルという扱いでいる場合が多く、コンパニオン業務はないようです。
大規模なコンベンションに初めて行って驚いたのが、チケットがかなり高額です。
去年行ったAnime Expo(西海岸で最大規模のアニメコンベンション)は、4日間通し券で$415(日本円で4万5千円程度)でした。
会場周辺のホテルなどに滞在する場合も多いので、合計金額はだいたい・・・すみません計算したくありません。
アメリカのコンベンションにはアレがない!
「失ってから大事なものに気付く」なんてお決まりのフレーズですが、日本のイベントには必ず、120%ある、コスプレイヤーに必須のアレがアメリカにはありません…。
筆者がアメリカに住み始めてから、はじめて参加した“Anime Los Angeles(ALA)”で、事件は起こりました。
前置きが長くなってしまってすみません。
アメリカのコンベンションに何がないのかというと…なんと更衣室がありません!本当です!!
日本ほどではないにしろ、コスプレイヤーがめちゃくちゃいるのに更衣室がないんです。
当時、渡米直後でまだ知人も友人もいない、英語も話せない私は一人で動揺しました。
「あなたたちは、どこで着替えていますか?」とグーグル翻訳に入れましたが、結局誰にも聞けなくてブラブラ歩いていたらイベントは終わりました。実話です。
アメリカのコンベンションでは、更衣室がないので、家で着替えてくる、もしくは、会場の周辺にホテルなどを借りてそこで着替えます。
まず家で準備を終えてきた場合は、公共交通機関、タクシー(Uber)、自家用車でそのまま来ます。
衝撃的ですね。でも普通なので誰も気にしていません。
アメリカでは多くの地域で一人一台車を持っているくらい車社会なので、みんな車でイベントに来ます。
衣装は着ておいて、メイクは車でするという人もいます。
会場周辺にホテルやAirbnbの民泊を借りて、友達同士でシェアしてイベント期間中滞在する人も多いです。
この場合は会場が徒歩圏内か車ですぐ近くの場合が多いので、多くのコスプレイヤーが最近はこの方法を使っています。
まとめ
アメリカのコスプレイベントについてお伝えしましが、いかがだったでしょうか?
日本のようなコスプレイベントはありませんし、いろいろな違いはありますが、アメリカでもコンベンションやオフ会でコスプレを楽しむコスプレイヤーたちは多くいます。
ちなみに日本語の”コスプレ”は英語の”cosplay”になっていてそのまま通じます。
今では和製英語から本物の英語になっているのが個人的には不思議な感じです。
anime、manga、otakuなどの単語も通じますよ。
共通の趣味で国際交流なんかも面白いかもしれませんね。
今回の記事が少しでも海外のイベントに参加する際の参考になれば嬉しく思います。
協力:KOKORO(Instagram:koko.ro)
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