コスプレにある程度慣れてくると交流が広がってファンができたり、コスプレイベントで声がかかったりするかもしれません。
そんな時、ふと「コスプレだけで生活していけたらな」なんてことを考えたことはありませんか。
確かに、自分が好きで得意とするコスプレだけで食べていけるようになれば、とても充実した生活になるでしょう。
しかし、実際はコスプレイヤーとしてコスプレ1本を収入源とするのはあらゆる注意点があります。
今回は、コスプレイヤーの収入事情と、コスプレをして稼ぐためのポイントを紹介します。
高収入のコスプレイヤーはほんの一握り?
高収入とうたわれるコスプレイヤーはほんの数人といっても過言ではありません。
コスプレだけで生活していくには元手になるお金が必要なので、まずはその準備をしなくてはいけません。
せっかく仕事やバイトでお金を貯めてもコスプレの費用が必要になってしまうので、貯金ができないなんてこともありますね。
コスプレ1本で食べているわけではない
そもそも、高収入のコスプレイヤーはコスプレイヤーというよりもコスプレ活動もしているインフルエンサーや有名人といったほうが正しいでしょう。
芸能事務所や個人で会社に属していて、イベントのない日はグラビアモデルや芸能活動をしている場合がとても多いです。
なかにはコスプレイヤーから芸能人になった人もいますね。
高収入のコスプレイヤーの多くはコスプレイベントや写真集の売り上げだけで生活費を稼いでいるわけではありません。
芸能活動としてコスプレしている可能性が高いので、収入事情としてはあまり参考にしないように気を付けてください。
コスプレイヤーで高額収入を得るには努力が必要
テレビ番組では高収入を得ているコスプレイヤーが紹介されていますが、あれはメディアの誇張表現の可能性が大きいです。
「コミックマーケット1日で1000万円稼いだ」とメディアで紹介されている場合には、コミックマーケットの開催時間と写真集ROM単価、1時間で対応できる頒布数をもとに計算してみましょう。
10時から16時までの6時間、少し高めの頒布単価5,000円で1人1分としてサークル対応しても、1日180万円くらいの売上です。
この計算は理想のもので、サークルスペースは限られていますし、実際に流れるような対応ができるわけではありません。
コスプレイヤー活動だけでコミックマーケット1日で1,000万円の収入があるというのは、確かな表現ではないように感じますね。
コスプレで稼ぐ方法6つ
コスプレでお金を稼ぐ方法は意外とたくさんあります。
最低限のスキルやマナーは必要ですが、思っているよりも難しくはないのです。
簡単なもので言うと、コスプレに慣れてSNSで他のコスプレイヤーと交流などすると自信もついてくると思います。そこでわりと手軽に始められるものもありますし、難易度の高いもので言うと、大きなイベントに企業案件としてコスプレをして出演することが出来るものなどがあるので確認してみましょう。
撮影会をひらく
コスプレ撮影会を開けば、撮影料や参加費として収益化ができます。
ただし、カメラマンさんに撮影に来てもらうためにはSNS等で告知を行わなければいけません。
収益の内容としては、会場の規模と参加費の設定にもよりますが、月に4回(毎週土日どちらか等)は撮影会を行えば衣装代などを差し引いてもコスト面でプラスになるといったところです。
また、撮影会によってはオフ会に近い状態のものもあるので、それなりのマナーと身を守る手段が必要です。
写真集ROM・同人誌を発売する
コスプレでお金を稼ぐには、写真集のROMや写真集を同人イベントで発売する方法があります。
ただし、イベント参加費や更衣室費用などとして5000~1万円程度の出費や、写真集の制作費用、印刷代がかかってくるので1回のイベント参加で1作品分の作製費用がまかなえたらラッキーと考えましょう。
また、売れ残ってしまった場合は、次回のイベントでまた販売しなくては費用を回収できません。
大量に作れば1つあたりのコストは安くなりますが、売れ残ってしまった場合は持ち帰るのも大変ですし在庫となってしまっては置き場にも困ってしまいますので、制作する部数はよく考えるように注意しましょう。
また、同人作品を頒布するときも最低限のルールを守り、マナー良くイベント参加しましょう。
アニメや漫画によっては、営利目的のコスプレを禁止しているジャンルもあるので準備前にきちんと確認しましょう。
イベントゲストになる
コスプレイヤーはイベントゲストとしても活躍している人が多いですね。
有名アニメの公式イベントなどで、大勢のファンの前に立つ姿は輝いて見えます。
しかし、イベントゲストとして呼ばれるためには本人の努力はもちろん、事務所などに所属していた方が機会は多くなります。
事務所に所属している場合にイベントゲストになるための例を挙げれば、事務所にコスプレ可能な所属・専属タレントとして売り出してもらう方法があります。
ただし、この場合のギャラは事務所と折半(5:5)もしくは6:4や7:3のような割合で給料として支払われます。
あくまで委託事業や派遣会社のようなシステムの場合が多い。
イベント公式のコスプレイヤーになる
コミケの企業ブースやTGSなどゲームやアニメ、同人イベントなどではアニメやゲーム会社が企業ブースを出展します。そこでキャラクター衣装を着用しステージなどに上がるコスプレイヤーを公式コスプレイヤーと言い、コスプレでお金を稼ぐための一つの方法です。
ただし、ゲームやアニメのキャラクターや衣装やコスチュームは自分で選ぶことが出来るとは限りません。
また、ミニスカートや水着のような衣装もあるので、それなりの肌のケアや脱毛なども必須です。
企業との契約で決められたキャラクターのコスプレをすることは、コスプレをやっている人の憧れの一つでもありますので目指す人も多いはず。
1日当たりの稼働によるギャラは支払われますが、公式コスプレイヤーとして出演できることの意義の方があり、ここでの収益はあまり目当てにはしていない方が多いと思います。
もうひとつの注意点としては、会場までの交通費が自己負担の場合もあります。
Youtuberとしてチャンネルを持つ
YouTubeでチャンネルを持ちコスプレイヤーとして動画配信をすることも、コスプレでお金を稼ぐ方法です。
YouTubeを探してみると、コスプレ衣装の作り方やキャラクターメイクの方法、コスプレイベントに参加するときのマナーなどさまざまな動画がありますね。
ただし単に自分のコスプレスキルを紹介するだけでは、広告がもらえるような人気のある動画は作れません。動画編集の技術も必要になってくるので、実際にYouTubeを見て動画の作り方や構成を真似てみましょう。
しかし、YouTubeを発展させてインフルエンサーとのつながりができると、コネクションができて意外な収入に結び付くかもしれませんよ。
インフルエンサーとのコスメやグッズのコラボレーションなどの準備として、YouTubeは企業にもチェックされています。
ライブ配信のライバーになる
ここ数年でライバーと呼ばれる動画プラットフォームにて生配信をする人が増えてきました。その中でライブ配信で稼ぐ方法として、『投げ銭』と呼ばれる仕組みを利用し収益化をすることが出来ます。
投げ銭とは、配信者に対して視聴者が支援することで、支援する金額に応じて配信プラットフォーム内で使えるコインを購入し配信者にギフトとして贈るものです。その贈られたコインを換金することで報酬が得られます。
ライブ配信のプラットフォームは数多くありますが、登録のみで始められるものや公式ライバーのように審査をクリアしないと始められないものなどがありますので自身の配信状況により選ぶと良いでしょう。
コスプレで稼ぐためのテクニック
コスプレで稼ぐための忘れてはいけないテクニックとして、以下の事を紹介します。
・イベント参加の頻度
・コスト計算のコツ
それぞれにコツがありますが、まずは自分の目標をどのレベルに置くかが大切です。
コスプレイヤーとしてどんな風になりたいのか、いくら稼げば満足するのかをきちんと考えましょう。
SNSで宣伝する
Twitterやインスタグラムでコスプレ活動のPRをしましょう。
SNSで宣伝する頻度としては、できれば毎日最低2回はアップしたいですね。このときツールを使ってデータの解析をしてどんな写真が見られやすいか、どのようなつぶやきが受けるのかを確認しましょう。
自分のSNSを見ている人の男女比率を解析して、トレンドで人気のあるキャラクターのコスプレ写真を上げるとさらにいいねやリツイートがされやすくなります。
また、コスプレのビフォーアフターや珍しいスキル、面白い撮影テクニックのつぶやきは、バズりやすい傾向があるのでおすすめです。
SNSを上手に使って、自分のPRを低コストで効率的に行いましょう。
頻繁にイベント参加する
大規模なコスプレイベントには、なるべく頻繁に参加しましょう。
できるだけ自分の顔を知ってもらい、コスプレイヤーとしてファンを付けなければ収入を得ることは難しいです。
少しでもいいなと思ったコスプレイヤーやイベント参加者とはSNSでつながり、交流を広げてください。
コメントやメッセージをまめに送り、自分に好意的なメッセージが届いたら必ず返信しましょう。
「この人とSNSでつながってよかった」と思われるような対応をして、友好的な関係を広げてファンを増やすことが大切です。
大規模なイベントで有名になれば、固定のコスプレファンやカメラマンとも出会えますし、売り子を募集している大手サークルや企業の目にも止まりやすくなります。
コスト計算をしておく
コスプレで稼ぐためには、『活動を続けていくための費用を計算』しましょう。毎月の収入から出費を引いて計算し、どれ位のお金があれば生活できるのか実際にシミュレーションしてください。
コスプレイヤーの出費と収入の例には以下のものがあります。
出費 | 収入 |
・衣装、小物代 ・メイク用品代 | ・作品売上 ・イベントスタッフ代 |
・カメラなど機器代 ・イベント参加費 ・コスプレ作品作製日(ROMや同人誌など) ・イベント交通費、宿泊代など ・作品売上 | ・YouTube広告収入 |
コスプレだけで稼ぐのは難しい理由
コスプレだけの収入で生活していくと決意しても、正直なところ難しいのが現状です。
特にイベント開催が少ない時期や、イベントに参加できなくなった場合は生活費を用意することすら難しくなってしまいます。
コスプレだけで生活していくことがつらい理由を、くわしく紹介します。
衣装代やウィッグやカラコン、画像加工ツールが高い
コスプレ1着の衣装代は意外と多くかかります。
市販されているデザイン凝ったキャラクターものの衣装でも1万円前後しますし、カラコンやウィッグ、小道具なども揃えるとかなりかかります。今では中古の衣装を扱っている業者もありますので、そういうお店で探し自分で裁縫などをし調整することも可能です。
また、衣装とは少し違いますが、撮影後にレタッチする際に使うフォトショップなどのツールも必要。
せっかくスタジオをレンタルし、入念に衣装やメイクなどを準備したのに加工しないのは勿体ないです。自分の渾身のコスプレ作品を作るためにも加工するフォトショップといったソフトやパソコンも準備する必要があります。
スタジオレンタル代や交通費がかかってしまう
写真撮影会やコスプレイベントなどは、スタジオレンタル代や交通費、食事代など、多くの費用がかかります。
撮影するにも撮影会イベントを開催するにも場所代が必要です。
また、コスプレイベントに参加する場合は現地への交通費や宿泊費はもちろん実費です。
地方から都心のイベント会場に行く場合は、往復になると結構な費用が掛かるので交通費なども考慮する必要があります。
名が売れるまでにけっこう時間がかかる
コスプレイヤーは名が売れるまでに時間がかかる場合があります。
一般にインフルエンサーと呼ばれているコスプレイヤーは若年層が少なく、10代の人はほとんどいないのが現状です。
社会人として本業の仕事をしながら、そのお金でウィッグや衣装を購入してコスプレをしている人が多いのではないでしょうか。
初めのうちはアルバイトや社員としてお金を稼ぎながら、趣味の範囲でコスプレをすることをおすすめします。
コスプレイヤーへの甘い言葉に注意
お金を稼ぎたいコスプレイヤーに、詐欺や犯罪まがいの行為をする集団があるので注意しましょう。
危険性が伴う行為は、ほとんどの場合犯罪行為です。
被害者だけでなく加害者として犯罪にかかわってしまう可能性もあるので、十分に気を付けてください。
R指定ROM販売は危険性がとても高い
コスプレ写真の撮影と偽り、コスプレイヤーを格安で手配し裸のようなきわどいROMやダウンロード写真を撮影する手口です。
確かにダウンロード販売の場合は原価がかかりにくいため、詐欺としてはうってつけの方法ですね。
また、初心者コスプレイヤーは値段の相場やコスプレのルールを知らないため、被害にあってしまうケースがあります。
基本的に二次創作のコスプレにおいて、営利目的のいかがわしい写真や動画の撮影は禁止です。公式の衣装から外れすぎているものはその作品のファンなどからもネガティブなコメントが溢れ炎上の元となります。
撮られてしまった場合は、コスプレイヤーとしてだけでなく自分自身の生活も危険に脅かされてしまいます。
甘い誘いはほとんどの場合違法行為と考え、自分の身を厳しいくらい守ってください。
そもそも高収入のバイトは危険
コスプレイヤーに持ち掛けられるバイトとして、ガールズバーやキャバクラなどの水商売があります。
そういったアルバイトは多くの場合、コスプレ仲間や友達など横のつながりから誘われて足を踏み込んでしまう可能性が高いです。
友達を紹介して入店させると紹介料がもらえるケースがあるためです。
衣装代や会場代を賄うのは大変ですが、したくない思いをしてまでコスプレが好きなのかよく考えましょう。
嫌な思いをすると、コスプレ自体が嫌いになってしまうことがあります。
また、店舗に入店したい場合は経営している会社をよく調べてからアルバイトを考えてください。
いわゆるグレーゾーンや反社会的組織が運営している店では働かないようにしましょう。
まとめ
コスプレだけで収入を得て生活するのは、並大抵の努力では実現しません。
また、コスプレはコストが意外とかかるので、生活費との比重を考えましょう。
コスプレで高収入を得られるほど有名になるのは限られた人のみですが、作品やキャラクターが“好き”だからコスプレをやっている人の方が大半ですしそういう文化を応援していきたいと思っています。
必ずしも、有名(高収入)=“コスプレの目指す道”ではないので自分自身のコスプレの楽しみ方を見つけ、もっと今よりも有名になりコスプレで生活をしていきたいと考えている場合は、自分が目指すレベルを決めることが必要になってくると思います。