今回は日本を代表するプロコスプレイヤーでもあり、自身で事務所を設立した女性社長でもある火将ロシエルさんです。
日々多忙を極める中、インタビュー当日も生放送が控えていたにも関わらず時間を取って丁寧に誠実に答えてくれました。
顔も小さく華奢なスタイル、今どきの女の子のキュートな話し方とは裏腹に説得力のある明確な想いを持って日々努力していることに驚かされました。
優しい話し方で進む会話の中に凛とした部分が垣間見えると思わずドキっとしてしまいます。
“人が嫌い”だった幼少期から、今後の力強い大きなビジョンまで語ってくれました。
【~コスプレイヤーの数だけストーリーがある~】
emoma!編集部が注目するコスプレイヤーに焦点を当てて、幼少期から現在までの人生・活動を紐解くことで見えてくる一人の人としての魅力に迫ります。
セーラームーンが人生を変えてくれた
子供の頃はイタズラ好きで暴れん坊で、いつもお母さんに怒られていました。
幼稚園がつまらないから行くのが嫌で嫌で、朝は逃げてお母さんに追いかけられたり、押し入れに隠れたりしていました。
幼稚園というよりは人と交流するのが苦手だったんです。
小学生の頃になると成長したことで、より人と関わりたくないという気持ちが強くなって、逆に大人しくなりました。
それに加えて図工と美術以外は勉強も嫌いだったので、小学生から中学生にかけて学校にあまり行かなくなって引きこもりになりました。
でも授業のない始業式や終業式だけは出ていたので、そういう時だけ登校してくるキャラになっていましたね。笑
ゲームは5才年上のお兄ちゃんがいて結構ゲーム好きでオタクだったので、小学生の頃色んなゲームを一緒にやって好きになりました。
モンスターハンターセカンドをお兄ちゃんが持っていたんですけど、ハードが一つだったので昼間お兄ちゃんが学校行っている間に自分のセーブデータでプレイしたりしていました。
そんな頃にお正月におばあちゃんの家に行った時、田舎の方なので図書館しか空いていなくて行ってみたらセーラームーンのミュージカルのビデオがあったんです。
そこで初めてセーラームーンという作品を知って、漫画・アニメと見てセーラームーンが凄く好きになりました。
今思うと初めてしたコスプレはセーラームーンだったかもしれません。
小学生向けに出ていた雑誌の付録のティアラを付けたり、黄色いビニールテープを頭にツインテールのようにして付けたりしていましたね。
コスプレを始めてから“人間が好きになりました”
10年くらい前までコスプレには全然興味がなく、結構引きこもりで生きる希望がないような暗黒時代を過ごしていたんです。
そんな時テレビでしょこたん(中川 翔子さん)を見て面白い言葉を発する子だなと思ったことをきっかけに彼女のブログを見ることが楽しみになりました。
しょこたんはコスプレもやっていたのでブログで見て、コスプレって凄い楽しそうだなと思ったのがきっかけです。
何か新しいことを始めたいなと思っていた時に、お兄ちゃんに誘われたのがきっかけです。
お兄ちゃんがフィギュアの原型師をやっていて、作ったオリジナルフィギュアを年に2回ワンダーフェスティバルで販売していたんです。
サークル出店するので売り子として出てくれないかってお願いされて、初めてメイド服を着てイベントに出ました。
そしたら色んな人に「可愛いね」って言ってもらえて、カメコさんから「撮ってもいいですか?」って言ってもらえて、すごく嬉しくなって色んなイベントに行ってみたいなとかいろいろなコスプレしてみたいなと思うようになりました。
そもそもそのメイド服は、プレゼントもしてくれたことがなかったお兄ちゃんからある日、唐突にメイド服をもらいました。
でも当時は急にメイド服なんて渡されたので気持ち悪いと思って、そのまま押入れに寝かしてました。
だいぶ変化がありまして…人間が好きになりました!
人前に出るのも好きになったし、コスプレすると自分と同じ趣味の人を簡単に見つけられるので、おしゃべりも好きになりましたね。
明るいキャラクターのコスプレをすることが多くて、キャラクターになりきると実際に自分の心が明るくなっていくんです。
そういう時間がどんどん長くなって、もしかして自分は明るいキャラなんじゃないかっていう錯覚が起きたのか、お洋服もいろいろな色のものを着るようになっていって、メイクやファッションにも興味が出て、本当に性格が変わりました。
イベントで撮られる回数を増やして勉強する
イベントでコスプレしている人を見て、みんな美人だなとかスタイルがいいなと思って私もあんな風になりたいと思いました。
でも、実際に自分の撮られた写真を見ると全然かわいくなかったんです。
どうしたら可愛くなれるんだろう、キレイになれるんだろう、と思って研究の日々でした。
最初は左右色んな角度から撮られた自分の写真を見て、得意な角度=利き顔があるっていうのを見つけました。
そこから自分がよく見える表情とか写真映えするメイクを研究したり、鏡の前でスタイルが良く見えるポーズを探したりしましたね。
また、イベントに出る回数を増やしてその都度撮られた自分の写真をたくさん見て試行錯誤していきました。
イベントに出る回数を増やすとかなり経験値が増えてレベルアップするんです。
今でも研究と努力の日々です。
筋トレは大好きです。ジャッキー(ジャッキー・チェン)様に憧れているので休みの日はみっちりやっています。
筋トレはコスプレに生きることが多くて、キャラクターによっては少しでも肉が出ているとイメージが崩れるので引きしまった体になるように腹筋・スクワット・腕立てなどしています。
好きなキャラクターのコスプレをすると“よりキャラに近づきたい”という思いから、どうしたらいいかという目標が生まれて努力します。
キャラクターに忠実な方のコスプレが大好きです
東方Projectという作品の合わせ撮影を6人でした時の写真がバズったのがきっかけだと思います。
知名度のある子達が合わせ撮影をしようとした時に靈夢のコスプレをする人が見つからなくて、共通の知り合いの人から「こういう撮影があるんだけど出てみない?」って声を掛けてもらいました。
好きな作品だったので是非!と出させてもらったら写真がバズって、知名度がなかった私のことを「この子は誰だ?」と話題になったのが有名になったきっかけだと思います。
コスプレを始めて色々な繋がりが出来たからこその出来事でしたね。
最初は自分に似合う物が分からないと思うので、衣装はナースやチャイナ・メイドから始めていろいろな色のウィッグを着けてみるといいと思います。
自分の顔に似合う色と似合わない色があるので、そこから自分に似合う色を見つけていけばいいと思います。
そして、そのカラーのキャラクターのコスプレへと進んでいき、ハマりキャラを見つけていくとスムーズだと思います。
まずはメイド服がオススメです。
そして、コミケのような大きいなイベントに参加してみて、いろいろなコスプレイヤーさんを見てみるのも発見があると思います。
でも何よりも最初は楽しむことが大切なので、その場に行って楽しむといいと思います。
キャラクターに忠実な方が大好きです。
キャラクターへの再現度と言うか、キャラクター愛ですかね。
既製品の衣装でもきちんと自分に合わせて改造したり、キャラクターにより近づけるために努力している人が良いし向いていると思います。
社会の中で“コスプレイヤー”としての地位と価値の向上を目指しています
元々、平日はOLをしていて週末に趣味でコスプレをしていました。
趣味で始めましたがコスプレのお仕事を頂くことが増えていき、次第に企業さんがコスプレイヤーへ抱く問題点が見えてくるようになってきました。
コスプレを趣味でやっている方が凄く多いので、企業さんが仕事で依頼した時にも仕事という認識が薄く、遅刻が多かったりドタキャンが多かったりと企業さんが依頼しにくい状況を知りました。
そして企業さんが依頼する時にきちんと仕事として受注する受け口=事務所を作ることで、企業さんから見たコスプレイヤーの地位が上がると思ったのがきっかけです。
社会の中でのコスプレとコスプレイヤーの地位と価値の向上の為に設立しました。
コスプレというものを、女優、アイドル、声優などと同じ地位になって欲しいと思っています。
あのコスプレイヤーがあのアニメが好きだから好きになった。あのゲームをやっているからゲームを始めた。など何でもいいのでコスプレをきっかけにして世の中に影響させたいです。
活動を通して何がしたいのか目的を持っている人がいいですね。
私のように“スーパースターになりたい!”というような抽象的な目的でもいいんです。
目的があれば頑張れるし、希望と少し違う内容のお仕事でも目的の為に大切だと理解出来れば頑張れますから。
また、コスプレの他に何か一つ誇れる強みを持っている人がいいです。
それは歌や楽器でも、挨拶や礼儀でもいいんです。
設立当初はコスプレの事務所だったのですが私達も成長してきて、今はコプルトに所属している人はコスプレの世界だけではなく芸能界の中で他のタレントさんと同じポジションに行けるタレントを目指しています。
そこの目標を一緒に目指し追える人がいたら是非一緒に頑張っていきたいです。
コミケ(C97)でコプルトとして企業ブースを出します
コミケではコプルトが芸能事務所として初めての試みで企業ブースを出します。
日頃お世話になっているクライアントさんにご協力頂いて4日間いろんな演者さんに登場していただいたり発表やサイン会など行います。
また会場内の企業ブースだけではなく、国際展示場駅と会場間にあるサイゼリアの隣のFamilyMart前にもコプルトのブースが出てFM有明フロンティア店限定コラボアイテムが販売されます。
コミケ期間限定なので、みなさん足を運んでいただけると嬉しいです。
私自身のコミケの予定としては、28日マーベラスさんの企業ブースに、29日ムービックさんの企業ブースに立ちます。
また31日はサークル出店して自主制作の写真集を3冊出します。
コスプレに限らず、様々なことに挑戦しています。
Weiboを公式で始めたこともあり、中国や海外へ向けても積極的に発信していきたいと思っています。
今年は去年に比べてグラビアのお仕事を多くしましたが、来年は更に活動の幅を広げていきます。
コスプレというジャンルの知名度は上がってきましたが、コスプレの地位がまだまだ低いので向上の為にも頑張りますので応援よろしくお願いします。
まとめ
人嫌いだった彼女を人好きに変えたコスプレへの愛と情熱がこのような精力的な活動へと繋がっていることを感じました。
12月は先述の予定だけでなく、2ndDVD「異世界でのおとこの人との付き合いかた(仮)」が20日に発売されました。
こちらは発売前にAmazon・yahoo・DMMにて軒並み1位を獲得するなど大反響。
また、昨日24日にはヤングチャンピオンの表紙とグラビアに登場。
公式コスプレイヤーを務められているFGOジャンヌダルクが見られるので書店やコンビニで是非getしてくださいね。
その他にもドコモの月額会員制コンテンツ「CHEERZ forスゴ得」やマイナビで集中特集記事が組まれ、LINEスタンプも出るそうです。
可愛いだけでは収まりきらない、プロコスプレイヤーとしての姿を目の当たりにすると自然とファンになって応援したくなります。
今後もコスプレ業界を牽引し続ける火将ロシエルさんから目が離せません。
<Twitter>主に普段のつぶやきを載せています
<Instagram>私服ファッション系を載せています
<Weibo>コスプレに特化した画像を載せています
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