ここからは後編です。
前編では意外なコスプレを始めたきっかけ、最高の瞬間、海外での過ごし方、12カンパニーについてなどお聞きしました。
後編は麗華さんの言葉に励まされ、とにかく楽しもうと思えるような言葉が沢山盛り込まれているインタビューです。
日々の中で悩んだり迷ったりすることもありますが、そんなことが些細なことに感じられる言葉の数々をお楽しみください。
麗華さんから読者の方へプレゼントも頂きましたので、最後まで是非ご覧ください。
英語を覚えることと英語での発信が大切
男キャラクターを女性に依頼っていうのは基本あまりないです。男キャラクターは男性に、です。
でも新発売のタイトルでまだ知られていない、男装コスプレイヤーさんには知名度がある、ぜひ一緒に盛り上げていって欲しいという形での依頼はあります。
ただ誰もが知っているタイトルであればある程、その人気の男性キャラクターを女性に依頼するのは難しいと思います。
私がデザイナーやクライアントだったとしても女性を提案されたら、「何で?男のキャラクターなのに?」って思います。
男女並んだ時のバランスもあるし、そもそもキャラクターの身長に合わせて欲しいっていう要望が強いので、180cmのキャラクターだと180cmの女性ってなかなかいませんよね。
ですので、自分自身の発信力をしっかりつけないと厳しいとは思います。
海外の会社からの依頼では、そのあたりを言われることが少いです。
「是非弊社のキャラクターの衣装を着てイベントにオフィシャルゲストとして来てもらえたら嬉しいです。」と言って頂くこともあります。
でも日本はコスプレイヤーをモデルさんとして見ている部分もあるので、ちゃんと着て頂くってなれば男性キャラクターなら男性になることが多いですね。
逆に考えてみると分かりやすくて、どんなに綺麗で美しい方だとしても女の子の可愛いキャラクターを男性にはあまり依頼しないと思うのです。
できれば女性が良いかな?と思う方が多いと思うので今後も難しいかもしれませんね。
コスプレイヤーさん個人を指名していただくことはありますが、男装の人がいいですって指定される依頼はまずないですね。
応援はします。でもお仕事がないからって落ち込んだり嘆いたりは出来ないよって伝えますね。
例えば他のコスプレイヤーさんに比べて自分は仕事が全然ないなっていう闇には落ちるかもしれない。
そこで腐らずに自分を伸ばせたらその子に合わせて何か仕事を取ってこれるかなって思うんですけど、男装に片寄っちゃうと年に一件か二件お仕事あげられたらいいかなって感じだろうと思います。
それでも頑張ってくれるなら、他の手段を色々と探します。
海外だと男装のコスプレイヤーさんの需要が多いので、そっちを伸ばせていければお仕事も色々あります。
ただ頑なに男キャラクターがいいってよりは、女の子も男の子も状況に合わせて出来る子の方が有利ですね。
カッコいい女性キャラクターもいるので、仕事の幅が広がります。
私自身が全然できてないのですが、まず英語を覚えることですね。
毎回通訳を付けてくださいますけど、それって日本人だから許されてる気がします。
他の英語がネイティブじゃない国のコスプレイヤーさんに通訳が付いているのをあまり見たことがないです。
多分日本人ゲストさんを呼んだことがあって“日本人は英語が話せない!”という認識を持ってくださっているんでしょうね。
でも通訳の方のレベルは様々なんです。
プロの方の時もありますが、日本語を独学で勉強して“検定通るレベルじゃないけど、ちょっと会話出来る”というような方が付くこともあります。
なので自分で話せた方が輪は広がると思います。
通訳をつけると費用もかさむので、英語出来た方が向こうも安心して呼べますしね。
あとは英語の発信をどれくらいするかですね。
日本語で発信しても日本語好きな子にしか届かない。
あと私は海外の子からのメールは基本全部返します!
忙しい時とかはYeah!とか顔文字だけのことも多いんですけど、基本全部返してます。
知らない国の子からメッセージがもらえるのは嬉しいので、以前はランダムに返事してたんです。
でも、とある海外のイベントでファンの人が「麗華さんは私がどんなメールを送っても返事をくれる。それがとっても嬉しい。著名なコスプレイヤーさんは普通返事をくれないんだ」と言ってくれて、嬉しかったですね。
自分が逆の立場だったら返事が来たら死ぬほど嬉しいじゃないですか。
立場を置き換えればスタンプ1個でもお返事がもらえたら嬉しい!と思うので続けたいですね。
そういう地道な努力も大切なのかなと思います。
あと海外ではスタッフ会議でゲストさんを決めるらしいんです。
コスプレに詳しくない主催者さんだと、コスプレ好きのスタッフに次のゲストは誰が良いかな?と聞くこともあるそうです。
そしてそのスタッフさんが「この人がいいです」って提案するとそれが結構通るらしいんです。
たまたまメールを返した子が海外イベントのスタッフさんかもしれない。
そういう地道な小さい努力で印象が変わって仕事が増えることもあるかもしれません。
海外での行動には細心の注意を払う
50か51カ国くらいですね。
基本行ったことないところは第一優先で受けちゃいます。笑
世界ふしぎ発見!系の番組が好きだったので、知らない土地に行きたい!って感じです。
いやそんなことはないです。趣味でカラオケ行くくらいです。
頼まれれば基本断りたくないタイプなので、対して上手くなくてもいいなら歌いますみたいな感覚で受けています。
私が英語ペラペラだったらその分しゃべるから歌は歌わないかもしれないんですけど、結局歌は言語の壁を飛び越えてくれるので届けやすいんですね。
全然行っちゃいますね!
「ビーチあるなら行きます!」それぐらいのテンションです。笑
危険地域は調べるんですけど、ホンジュラス共和国に誘われた時に、国名で検索したら“世界一危険な国”というウェブサイトが出てきました。
「無事に行って帰ってこれるかな?」と心配になりましたが、日本大使館の方もイベントを手伝ってらっしゃったので行きました。
ないですね。そういうのはかなり気にしています。
私がコスプレの仕事で海外に行って事故に巻き込まれたら今後コスプレイヤーが呼ばれなくなる可能性もあるので、現地に到着してから帰りの飛行機に乗るまで相当注意します。
「出るな」って言われたら一歩も出ないし、「ここは危ないです」って言われたら行きませんし、「スマホ見ながら歩かないでください」って言われたらカバンの奥深くに仕舞います。
“夜ちょっと腹減ったしどっか美味しいところに食いに行こう!”とかは絶対にしないです。
とある国に行った時に「明日の朝、私達が迎えに来るまで何が起きてもホテルから出るな」って言われて「出たら何か危ないんですか?」って聞いたら「自分で外に出て、死んでてもあなたのことはどうにもしてあげられない」って言われて、「え!!わかりましたー!!!!部屋にいます!」って思いました。
国によっては目の前にあるスターバックスに行かせてもらえない。信号渡るだけなのに「ボディーガードを付けるから待って」って言われてしまいました。
南米などは緊張感持って行きます。
なので、アメリカの空港まで戻ると日本まで後半分!と少し安心します。
ゲームが終わったら寝て、起きたらまたゲームを始める
衣装作ったり、会社の仲間とミーティングとかカフェの相談とかしています。
本当にオフの日は家でずっとスマホゲームやってますね。
ゲームを進めるのは本当に早いほうです。
風呂にもスマホ持って行くタイプなので、ハマってるゲームが有るときは寝ないでやってますね。
普段はめっちゃ寝る人なんですけど、ゲームの日課が終わったら寝て、朝のゲームの日課が始まる時間に起きるみたいなことをよくやってます。笑
釣りは昔住んでいた所で会社員をやっていた時に海が近かったんです。
それで周りがみんな釣り好きだったので一緒に行っていました。
でも結局あまり釣れないんですよ。
だからたまに朝4時5時出発で日本海まで行って釣りをしてましたね。
釣りが好きというより、やったことないことをやるのが大好きなので行きました。
おっちゃん達もみんなビール飲む為に釣りしてるので、私もジュースとか買ってダラダラ飲んだり食べたりしながら釣れたらラッキーぐらいでした。
あ、趣味といえば温泉旅行がめっちゃ好きです。
コスプレの撮影で遠方によく行くんですけど基本温泉とセットで、温泉がなければむしろ行かないくらいです。
コスプレ撮影も“風呂に入れるから行く!”みたいな。笑
コスプレ撮影で3万円かけると結構高いと思うんですよ。
でも温泉旅行で飯もついてれば3万円ってそんなもんかと気にならないじゃないですか。
温泉のついでにコスプレ写真も撮って帰るみたいな。
だから九州ばっかり行ってます。
九州いいですね。温泉いっぱいあるんで、選びたい放題みたいな。
旅館で寝るのも大好きです。畳大好き!
海外だとずっとベッドなので、もうベッドしんどい…ってなるんですけど、旅館最高です!!
唯一の趣味は温泉かもですね。
作品への“愛”がないとコスプレ出来ない
なんかもう“病気”ですね。
趣味のコスプレに関しては愛がないと出来ないタイプです。
衣装をイチから全部作るので、好きじゃないと作る気にならないんです。
そして私は“一目惚れしないタイプなので、これ面白そうだなって思ったら大体最終話まで見て「めっちゃいい!」ってならないと動けないんです。
“育てていく愛”みたいな感じですね。
だから“一話目で衣装作って誰よりも早くコスプレやる!”とかは出来ないです。
そこが越えられるのが仕事っていうスイッチです。
もちろん仕事の場合でもゲームならやるし、アニメなら見るし、その中で愛せるキャラクターが出来れば幸せだし、普通に面白かったけど誰かに対して特別な感情が持てなかった場合でも全体のクオリティーを見ます。
そうやって愛着を持って衣装をチェックして、気になるところを見直してまた資料を見てと繰り返していくので結果“一緒に寄り添う相手” みたいな特別な感情は持ちますね。
趣味の範囲であれば自分がどこで納得するかですね。
自分が納得さえしてればいいです。
ウィッグが汚くても自分がこれでいいと思えばそれでいいし、それに納得いかなければ本人がどんどん自分でレベル上げていく。
自分自身でどこまで頑張りたいかで線引するしかないですね。
私はここ数年は周りの人の意見を意識してコスプレしたことがないです。
信念さえ貫いていれば第三者に何と言われようが問題ないです。
「もやもやするなあ」となることもありますが、一晩寝たら収まります。
そう考えられるかは生まれ持った性質とか性格にもよるとも思うんですけど、趣味なんだから楽しんだ方が勝ちだって思うようにしてます。
コスプレって他人の評価を気にしてしまう事が多いですが、他の趣味に置き換えてみるとすぐ分かると思うんです。
どんなにテニスが上手かろうが下手だろうが自分が楽しければ他人は関係ないじゃないですか。
自分が上手くできたらそれだけで楽しいって思うのが大切ですね。
それでも人の目が気になるのなら、自分でスタジオ行って友達と写真を撮るだけっていうコスプレスタイルもあります。クローズドで出来るコスプレもたくさんあると思います。
ただ人前に出ると評価を受けやすくなるので、そこは自分のメンタルと勝負になっちゃいますよね。
私は趣味のコスプレのときは全然気にしません。気にしてたらコスプレはできなくなっちゃいます。
あと私ツイッター見ないんですよ。
自分のアカウントを朝に一回しか見ないです。
暇だからとダラダラ見たり、ティックトックとか見たりとかは、ほぼないですね。
情報や流行りは会社若い子に教えてもらえればいいやと思ってます。あとはニュースとか。
ときどき若い子に「叩かれました…ショックです。」と相談されることもありますが、そんな細かいことは気にする必要はないとは言います。
1週間もしたら落ち着いて忘れられちゃうからねって。
その1週間必死にネット見ちゃうからいけない。
叩かれたら1週間ツイッター見ないでゲームとかしていれば大丈夫です。
ファンの方へメッセージ
個人としてはもうコスプレ出来なくなる年齢まで続けるぞ!っていうことしか考えてないです。
引退する宣言をして引退した人はすぐ復活するイメージがあるので宣言はしたくないですね。
やりたいことがなくなったら「あんま最近コスプレしてないな〜、ゲームのことしかつぶやかなくなったな~」ぐらいの自然な流れで消えていっていると思います。
コスプレも釣りとかと一緒で“やりたくなくなったらやらなきゃいい”だけだと思っているので、無理に引退する日を決めたり宣言したりすることでもないかなと思います。
会社の展望としては今30人くらいの子がいるんですけど、もっともっと増やしていってその子達にきちんと仕事が渡せるように成長していかなきゃいけないと思っています。
ファン…なんかそのファンって存在を持っている自覚がないんです。
コスプレを愛してる仲間と思っているので、ファンという概念が私にはないんですよね。
でも仲間へのメッセージだったら、せっかくこんなマニアックな趣味を始めたなら全力で楽しもうよ!って言いたいです。
あとは、衣装作るの楽しいよ!って言いたいです。
ちょっと作れれば出来るような衣装でも買わないと無理ってよく聞くのですが、やってみたら簡単だし面白いですよ〜〜!
海外でよく衣装製作ワークショップをやっているので、海外の子に衣装作りを教えています。
その時に「ミシン持ってる人!?」って聞くと持ってない子がほとんどなんです。
でも次行った時に「作って持ってきました、見てもらっていいですか?」とか来てくれる子がいてとても嬉しいです!
何でもある代わりに日本のコスプレイヤーは頑張るぞって気持ちが海外の子に負けてるなって感じるときがあります。
なので一緒に盛り上げていきたいですね。
まとめ
最後のメッセージは優しく語りかけるように話してくださり、“これが仲間と話す麗華さんなんだな”と感じました。
それと同時に他インタビューは経営者として俯瞰して真摯に答えてくださっていた部分が大きかったのかもしれません。
絶えずコスプレイヤーやコスプレ業界全体を考えて行動している麗華さん。
牽引していく立場は苦労が多かったのかもしれませんが、その様子は一切感じない凛々しさと度量を兼ね備えている方でした。
多くのコスプレイヤーの方からお名前が上がるのは、美しさや人気があるからだけではないことを痛感します。
今後もご本人の活躍と共に、麗華さんが育ててあげていくコスプレイヤーさん達の活躍も楽しみです。
〈追記〉
2012年2月を最後に麗華さんのYou Tubeに新しい動画はアップされていませんでしたが、なんと2020年4月25日から新しい動画が続々と公開されています!
20本を超える新しい動画がアップされていて、動画で麗華さんの色々な姿が見られます。
是非チェックしてみてください。
ギャラリー
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※この企画は4月9日の応募締切をもって終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
麗華さん直筆サイン付き写真集を1名様にプレゼント☆
応募方法は下記のカンタン3ステップ!
\前編のインタビューに引き続き後編を公開/
多くの方からインタビューをして欲しい!との声をいただきまして、ついに麗華(@reika2011)さんが登場!
後編ではインタビューの最後に麗華さんサイン付き写真集のプレゼント応募がありますので是非最後までお読みください☆https://t.co/kdPYormDgI— emoma! (@emoma_cosplay) April 2, 2020
応募締切
2020年4月9日(木)23:59まで。
(上記①~③の全てを行ってください。)
当選者発表、および賞品の受け渡し
・応募締切後、ご当選者のみにTwitterのDMでご連絡します。当選のご連絡後48時間以内に返信いただけない場合、当選無効となります。
・ご当選者の方に発送の為、住所やお名前等の個人情報をお聞きいたします。その後3日以内(土日祝を除く)に郵送にて発送します。いただいた個人情報は目的外には使用いたしません。
キャンペーンに関する注意事項
下記をよくお読みいただき、ご同意の上、ご応募くださいますようお願いいたします。
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・Twitterのダイレクトメッセージを受け取れる環境にしておいてください。
・ご当選者様のご都合による返送はご遠慮ください。
・本キャンペーンは、予告なく中断・中止・変更等する場合があります。予めご了承ください。
・ご応募される方は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・同一アカウントで複数の方のご応募はできません。
ご応募お待ちしております。
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