【インタビュー#6】びぃと。‐強く格好よく美しく、男装のエキスパートへ ‐

~男性・男装コスプレイヤー特集~
第6回はコスプレイヤーのびぃと。(Twitter:@hata_beats999)さんです。
グランブルーファンタジーの四騎士『パーシヴァル』役のオフィシャルキャストとしてご存じの方も多いのではないでしょうか。
数々のクールでカッコいい作品のコスプレをされていますが、実際お話を聞くとストイックで心に熱いものを秘めていて、ファンや仲間を非常にリスペクトしていることが凄く伝わってきました。
さらに自身は完璧主義者という意外な一面も!
お話の合間合間にも少し天然な部分が見えたのもまた一つ彼女の魅力だと感じました。

コスプレのことやオフィシャルキャストの仲間と初めて挑戦された舞台の話、ファンへの気持ちなどさまざまなことを聞かせていただきましたので是非お楽しみください。

男性・男装コスプレイヤー特集とは
【~コスプレは女性だけのものではない~】
今やコスプレは日本文化の誇りのひとつ。ただ女性だけがフューチャーされがちな業界ですが男性だって多数いる!さらに女性だからこそ出来る男性キャラクターもある!そんな男性・男装コスプレイヤーをemoma!編集部がピックアップし各コスプレイヤーの魅力に迫っていく特集です。

『ダイヤのA(エース)』御幸一也のコスプレをするコスプレイヤーびぃと。さん

コスプレを始めたきっかけはコミケ

コスプレ始めたきっかけを教えてください

実は、コスプレしてコミケに初参戦する前に一度コミケにはコスプレしない一般参加で遊びに行った事があったんです。その時に長蛇の列が出来ているブースがあったので興味本位で並んでみたら、まるでお人形さんみたいな凄く綺麗な男装のレイヤーさんがいて、あまりの綺麗さに感動して、その方の写真集を購入させていただいたことがあったんです。
その際に少しだけお話しさせていただいたんですが、お綺麗なのにとても気さくな方で、優しく接してもらったことが心に残っていて本当に素敵だなぁと思って。
その時からコスプレって凄いなっていう気持ちが芽生えました。
その方は私がコスプレ始めたころにはもう引退されてしまってTwitterアカウントも消されてしまったんですが、今でもその時のことは覚えています。

それから数年後、友達にコミケに遊びに行こうよと誘ってもらって、ついでにコスプレもしてみない?という話になったんです。
コスプレの方法もよく分からないまま、見よう見まねで衣装とウイッグを用意して、コスプレメイクも家で一生懸命練習したりして、なんにも分からなかったけど、とにかく準備からすごくワクワクして楽しかったのを覚えてます。
結局当日はウィッグも浮いちゃっているしメイクもボロボロでひどい姿だったんですけど、でも何もかもが楽しくって、そう思えたことがコスプレをする一番最初のきっかけだったんだと思います。

コミケが初めてのコスプレだったとのことですが、何のキャラクターを?

『Free!』の松岡凛というキャラクターのコスプレでした。
初めてのコスプレでしたが、コミケ自体がお祭りみたいな感覚だったのでとにかく目いっぱい楽しんだのを覚えています。
その後定期的にコスプレで遊ぶようになったんですが、なかでも漫画の『ダイヤのA(エース)』と『銀魂』にもの凄くハマりすぎてしまい、特に『ダイヤのA(エース)』の御幸一也というキャラクターが大好きになってしまって、好きすぎていてもたってもいられなくなっった結果、御幸一也のコスプレをして試合で負けてしまった胸熱なシーンの再現をしてみたり、『銀魂』ならギャグ要素が満載なのでキャラクターと同じように変顔をしてみたり、戦っているシーンを撮影したりすることで、自分もその作品の中に入り込んだような感覚を味わうことが出来て、ますます作品のことを好きになれたんです。
自分の“好き”という気持ちをぶつける場所がコスプレなんだなと思いました。喋るだけじゃ足りないからコスプレして表現する!みたいな感覚です。
正直クオリティは全然でしたけど、好きな作品やキャラクターのコスプレをすることはとにかく楽しいし、撮影したものを後から見たときにはそのシーンを思い出して泣いちゃったりできるくらいとにかくコスプレをした作品が大好きで、感情も込もっていました。

ウィッグカットやセットだけで30~40時間も

『FF10』ティーダのコスプレをするコスプレイヤーびぃと。さん

最初から男装コスプレをしていたのですか?

ずっと男装でした。女性キャラのコスプレをしたこともあるんですけど全然楽しく感じなかったんです。女性のキャラクターだとどうしても普段の自分が見え隠れするというか一瞬、あ!素の私じゃんって思ってしまうことがあって。
でもそれが男装だと「完全に違うものになれる」という感覚があるので変化が大きい方が楽しいし違うものになった方がより私自身も頑張りたいって思えるので男装ばかりやっています。

コスプレでこだわっている部分はどこですか?

私個人の中でだけの考えなんですが、キャラクターに似ていなければ自分がコスプレする意味がないという風に思っているんです。元々の顔立ちには限界があるのでどうしても似せられない部分もあるんですけど、それでも大好きなキャラクターのコスプレがしたい!そのキャラクターらしい雰囲気を出したい!ってなった時、特に時間をかけるのがウィッグと眉毛のメイク、表情です。
その3つをしっかり考えることでようやくキャラクターらしさが出ると思っているので、毎回自分なりにこだわっているポイントです。

コスプレイヤー界隈では眉毛は大切と聞きますが、やはりそうなのですね

そうですね、アニメの絵とかだと正直その通りになることは出来ないので、「もしそのキャラクターが三次元に居たとしたらどういう顔なんだろう」というのを想像して、さらにその自分の顔に三次元のキャラに当てはめた時に、ここの角度こういう風に描いたら良いかなとか、眉山この辺だともうちょっとキリッとなってキャラの雰囲気が出せるかなとか、コピーするっていうより三次元になった時のキャラクターのことを思い浮かべて、試行錯誤しながら描いています。

男装コスプレならではの苦労はありますか?

他のコスプレイヤーさんも共通だと思うんですけど、とにかく準備が大変という部分だけです。笑
私自身ウィッグを作るのに凄く時間をかけるタイプで、一つのウィッグを作るのにひどいい時は30~40時間かけてしまうこともあるので、そこの大変さはあります。

ウィッグは全て自分でカットやセットをしているんですか?

趣味でのコスプレのウィッグはできたら自分で作りたくって、業者さんとかにお願いしたことはないですね。
私自身ウィッグづくりは全然上手ではないんですが、時間をかけていじっていくと、ほんの少し毛束を出した途端に急に似たりする瞬間があるんですよ。
ちょっとここの毛束だけ浮かせてたりすると、いきなり似た!みたいな時があるのでそういう微調整は自分しかできないので時間かけてでも自分で全部やるようにしています
切って被って、切って被って、マネキンに被らせて切って…固めて…ダメで洗って……を繰り返していると気づいたらものすごい時間が経ってしまってたりします。笑

コスプレの強みは作品とキャラクターへの愛

グランブルーファンタジー四騎士『パーシヴァル』役のオフィシャルキャストのコスプレイヤーびぃと。さん

グランブルーファンタジー四騎士『パーシヴァル』役のオフィシャルキャストのコスプレイヤーびぃと。さん02

グラブルのオフィシャルキャストとして、パーシヴァル役が決まった時の気持ちは?

決定をいただいたその瞬間はとにかく嬉しくて、あとはなぜか冷や汗がドバーーッッと出ました。
実は本番の直前に、四騎士は私以外全員男性ということを知って、正直最初は緊張とプレッシャーもあって全く眠れなかったです。
私以外の3人は、お仕事としてパフォーマンスをずっとやってきた方々で、身体のつくり方や動きも、趣味でのコスプレ活動をしてきた私とは全然レベルが違うし、最初のうちは劣等感しかなかったです。

ただ、私の唯一の強みは作品への愛を表現したいという気持ちがあることで、逆に言うとそれしかないと思っているので、お仕事だろうと趣味だろうと常にその気持ちを入れて取り組んでいきたいと思っています。

グラブルのオフィシャルキャストは演技も大変だと思いますが、稽古も大変でした?

稽古をすることによって少しでもパフォーマンスや見え方が良くなるのであれば全然時間は惜しまないですし、何でもやりたいと思ってます。普通であれば自分で練習してこなきゃいけないところを、逆にクライアントさんの方から稽古の場を設けてくれることが本当にありがたいことだなと思っています。稽古は大変なこともありますが結構好きですね。

その稽古とは別に個人的にも殺陣の稽古やジム、ホットヨガなどにも行ったりもしていました。
鎧を着てずっと立っていると重さで肩が前に入ってしまいがちなんですけど、それは体幹や胸、肩回りを鍛えることで、すっとした姿勢で立つことができるな、じゃあジムでそのトレーニングしよう、剣がちゃんと回せてなかったな、じゃあ腕のトレーニング加えよう、とか。ホットヨガも体幹を鍛えたり、体の柔軟性を高めるために通っていました。通いすぎて汗っかきになっちゃいました。笑
努力というより、元々足りないところを補うためにやっています。

オフィシャルキャストのような公式の仕事をしたいと思っている方に向けてアドバイスなどありますか?

うーん、なんだろう…。まずは、やっぱり最低限、企業のプロモーションとして成り立つレベルのクオリティと技術を身につけることなんじゃないかなって思います。
あとは自分でも常に戒めとして頭に入れていることなんですけど、客観的に自分を見て自分自身が企業やクライアントさん側の立場だったら、自分を使いたいか、その場所に相応しいかを考えるようにしています。
「あなたにこのキャラクターを任せますよ」と言われた時に、それでヤッター!と思っちゃいけないなという風に考えていて、もちろんとても嬉しいことだし、喜んでいいと事だとも思うんですけど、その一つの作品のキャラクターを一個人が任せてもらえることって、もの凄く責任のあることだなって常々思っているので、本当にそのキャラクターをお仕事としてプロモーションできるだけのものを自分が備えているのか、お仕事を任せていただけるだけの信用に足る人なのかっていうのが大事なんじゃないかなって思います。

それが出来てなかったらクライアントさんも声をかけないと思うし、何かしらその人に魅力だったりそのキャラクターに似てるなどポイントがあるから選んでくださっていると思うので、自分のなかの何が要因で選んでいただけたのかを考えるように意識しています。

選考の基準はわかりませんが、男性のキャラクターで選んでいただけるのは、ちょっと綺麗な男性に見える部分を認められたのかなと考えているので、そういう風に見えるメイクの技術や男性らしさを感じさせるスキルを磨かなきゃいけないなと常々思っています。

趣味であれば、ただただ楽しいだけで終わると思うんですけど、お仕事で人前に立って、そこに見に来てくださる方々からしたら、その人のコスプレ歴が長かろうが短かろうが、元々コスプレしかやってきてない人でも、元々俳優さんでも全く関係ないので、求められている最低限のラインは確実にクリアしたクオリティを出さないとお仕事として成り立たないと思っています
企業やクライアントさん側もコスプレイヤーさんにお仕事をプレゼントしているわけではなく、お仕事として依頼をしているので、やはり自分もそこで成果を出さなくてはいけないなというのは常に意識しています。
その為にはクオリティや自分自身がプロモーションに成り得るだけのフォロワー数やエンゲージメントの高い人物になる必要があると思います
偉そうなことばかり語ってしまっているんですが、そもそも自分自身まだまだ出来てないところばかりなので精進します。笑 頑張りたいです。

コスプレの仕事はどんなものがあります?

私が今やらせていただいているのが、グランブルファンタジーのオフィシャルキャストのお仕事と、その他だと昨年の東京ゲームショウでのバンダイナムコエンターテインメント様ブースでのテイルズの新作のキャラクターの公式のお仕事、あとは、コスプレイヤーさん向けの化粧品の広告のお仕事だったり、アパレルの着用モデルなどをやらせていただいてます。
全体的にコスプレのお仕事の案件ってすごく少ないと思うのですが、その中でもTGSやAnimeJapanなどの大型イベントの企業ブースに立つお仕事が多いイメージです。
今年はやっぱりリアルイベントが難しくなっているので、配信イベントや雑誌の撮影、インフルエンサー系のお仕事が多い気がします。

前編まとめ

グラブルのオフィシャルキャストとして実際にさまざまな苦悩があり、努力をしてきたから語ることができる説得力のある話でインタビュー時は関心しっぱなしでした。
実際にコスプレに取り組む姿勢などは多くのコスプレイヤーさんに伝えたいお話でした。まさにプロフェッショナルを感じることが出来るお話ばかりで、これからの彼女の活躍が楽しみで仕方ありません。

後編では、オフィシャルキャストの仲間と挑んだ初舞台の話やファンの方に対する想いなどをお届けします。

ギャラリー

  • スノボと一緒のコスプレイヤーびぃと。さん
  • 『FGO』のカルナのコスプレをするコスプレイヤーびぃと。さん
  • 夜の階段の下からのコスプレイヤーびぃと。さん
  • 『FF7』のクラウドのコスプレをするコスプレイヤーびぃと。さん
  • 『どろろ』の百鬼丸のコスプレをするコスプレイヤーびぃと。さん

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