~男性・男装コスプレイヤー特集~第4回は女装コスプレイヤー麗癒さんです。
“美しすぎる!”そんな麗癒さんの第一印象から興味が耐えずインタビューを申し込みました。
実際にお会いして強く感じたのは“研究者”だということ。
最高のエンターテインメントを目指し、その為には研究と努力を惜しまない方。
そのエンターテインメントを追求した試行錯誤を聞けば聞くほどコスプレイヤーさんとお話している感覚は薄れていき、ソーシャルメディアのスペシャリストの方とお話ししている感覚になっていきました。
今回のインタビューはコスプレイヤーさんのみならず、ネットで何かを拡散したい全ての方が参考に出来るお話しだと思います。
長年かけて見出したテクニックも惜しみなく沢山話して頂いたので、前編・後編に分けてお届けします。
美しい麗癒さんの写真と共に是非お楽しみください。
【~コスプレは女性だけのものではない~】
今やコスプレは日本文化の誇りのひとつ。ただ女性だけがフューチャーされがちな業界ですが男性だって多数いる!さらに女性だからこそ出来る男性キャラクターもある!そんな男性・男装コスプレイヤーをemoma!編集部がピックアップし各コスプレイヤーの魅力に迫っていく特集です。
コミケでコスプレイヤーを見てコスプレを開始
通常だと僕普通に男性なんですよ。
SNS上の写真や動画の姿とは全く違うので、ほぼ気付かれないです。笑
こちらこそ、ありがとうございました。
反響大きかったなら撮ってもらった甲斐があったかな。笑
いや、動画は一番加工出来ないので人に撮ってもらうのは怖いんですよね。
あの時も不安がありましたけど、「まぁ何とかしてくれるだろ」と思って。笑。
完成した動画見て「盛れたー!」と安心しました。
今年で25才なんですけどコスプレは17才から始めました。
意外と歴は結構長いんですよ。
でも実は女装からコスプレには入ってないんです。
元々アニメ好きで、コミックマーケットとか行きたかったんですけど家が遠くてなかなか行けなかったんですが、ある年とうとう初めて行ったんですよ。
それで直接コスプレイヤーさん見たら、本当に失礼な話しですけど「僕でも出来るな」って思ってしまったんです。失礼ですよね。笑
僕「やりたい!」と思ったら我慢出来ないタイプなんで、即座にコミケ行ったその日から動き出しました。笑
友達に一人コスプレイヤーがいたので色々と聞いて、準備を始めて、冬コミに向けてコスプレの練習したんです。
そうしたらコミケ前の秋に僕の高校の文化祭で女装コンテストがあって「今コスプレで化粧の練習してるし、コンテストいいとこまで行けるんじゃない!? 」と思って意気揚々と申し込んだんですよ。
そしたらなんと僕、驚きの書類審査で落ちまして。笑
僕身長180cmあるんですよ。
なんで「身長高いお前は似合わんよ。そんな面白味もある奴じゃないから、やってもしゃーないで」って周りがなったらしく、僕はコンテストに挑めすらせずに悲しく終わったんです。笑
でも化粧とか練習してたし、コンテストにも出る気満々だったし、冬コミまでまだ時間があったし「練習の成果を表現する場所ないじゃん!!」って鬱憤が溜まって溜まって。
それで元々やっていたニコニコ動画の生配信でコスプレ披露したのが一番最初なんです。
コスプレ始めたきっかけとしては全部のタイミングが良かったんです!
“コミケに初めて行った”“文化祭で女装コンテストがあって落選した”“元々配信をしてた”、この3つがタイミングよく揃ってなかったら、僕は今でもコスプレやってなかっただろうなと思います。
声だけのはずが顔出ししてぷちバズ
もう閉鎖されてしまってないんですけど “こえ部”っていう声だけ配信するサイトがあったんです。
話すのが好きだったんで配信はそこで16才くらいからやっていました。
17才の時にこえ部が配信終了になっちゃったんで、ニコニコに移動して他愛もない雑談配信してたんです。
特に人も来ないし集めようと思ってもなかったんですけど、ニコニコって昔から「顔出さんの?」みたいな風潮があるじゃないですか!?笑
初手から顔出すのも嫌だなと思ってたし、インターネットに顔上げてもしょうがねーなと思ってたんですけど、前述の通り披露する場を失った練習の成果をニコニコでやってみるか!と思って化粧して顔出したんです。
そうしたら反響がぼちぼち良くて、見に来る人も多くなっていったんです。
そしてズブズブと沼に入っていったんです。笑
その時は男性の化粧です。
当初コスプレも男性キャラクターしか頭になかったんです。
女装って概念が少しもなかったですもん。全くやろうと思ってなかったです。
女装コンテストは冬コミに向けて化粧の練習をしてたから「他の男子生徒より上手く出来るだろうから出ておくか!」って気持ちで応募したけど、だからと言って女装がやりたかったとか女性のキャラクターやりたかったとか一切なかったです
だから一番最初も男性キャラクターですし、その後も男性ばっかでした。
1年くらい男装のみでしたね。
結構初めて行ったのにそれでも声かけてくれる人とかいて普通に楽しかったんですよ。
だから続けようかなって思いましたね。
昔のほうが多分コミケも今よりフレンドリーだったと思います。
今って人が多くてグッチャグッチャしてるじゃないですか。
8年前位ってコスプレイヤー自体がそんなに多くなかったんで結構ガラガラで場所が空いていたんです。
僕が行ったの庭園ですもん。今行ったら人が多くてヤバいですよね。笑
「え!?庭園行ったの?」みたいになるじゃないですか。笑
けどあの時は別に庭園でも普通に入れたし、どの場所もそこまで人が多くなくてみんなフレンドリーにワイワイやるみたいな感じだったんです。
感覚的にはアコスタの人数が少ない版くらいで、コスプレイヤー同士「いいキャラのコスプレしてるね」みたいなことをしゃべったりする本当フレンドリーなイベントでしたよね。
絶えず新しいことにチャレンジ!
初めての女装コスプレは18才位の時に『カゲロウプロジェクト』のキド(木戸つぼみ)をやりました。
ニコ生の配信で顔出ししたことから始まるんですけど、最初は“顔出した”ってことで人が増えたんですよ。
でも普通に顔を出してても、男装コスプレで配信を続けてても、人気は下がってくるんです。
やっぱり人間飽きるんですね。
あとは人気が下がるというのは結局新しい人が増えてないからで、人が増え続けていれば下がることはない訳です。
で、「あっと驚くようなことをしなきゃいかんな」と思ったんです。
“初めて見た人の目にも止まる面白いこと”とは何だろなって考えていて、女装を試しにやってみたら反響が良かったんで続けるようになったんです。
たまに出していますね、スパイスみたいに。笑
誰かに喜んで楽しんでもらえればいいなというのが女装コスプレをしている目的なので男性であることは全く隠していません。
女装しているコスプレイヤーも細分化されてきているんですけど、大まかにいうと“女性キャラクターが好きで女装している人”“内面も女性に近い人”“エンターテイメント”って分けられると思うんですけど、僕の場合は完全にエンターティメントでやっているんです。
そう考えるとコスプレ業界では特殊かもしれないですね。
女装で動画ってあまりいなかったんですよ。
新しいことをすることに意味があると思っていて、さっきも言いましたけど本当に二番煎じが嫌いなんです。笑
ラバーの衣装も自分が好きだっていうのもあったんですけど着てる人が少なかったやった。という感じで、絶えず新しいことは探して試しています。
Twitterはとにかくトライアンドエラー
2018年3月までフォロワーは3,000人位だったんです。
それまではフォロワー数を伸ばそうと思ってなかったんですが、伸ばそうと思ってからは毎日継続してTwitterに必ずアップするようにしました。
これは沢山の人に飽きずに見続けてもらう為には必要ですね。
ちょっと見てください!(インタビュー時、実際に下書きの画面を見せていただきました)
これ見せると大抵驚かれるんですけど、僕Twitterの下書き100個以上ストックがあるんです。
僕が今死んでも4ヶ月〜半年くらいTwitter上では生きている感じで投稿出来る状態なんです。笑
これをこの順のまま投稿していく訳じゃなくて、その時の状況を見て選んでアップしたり場合によってはストック使わないで新しく撮って上げたりもするんですけどね。
毎日必ずアップするにはこれくらいストック用意していないと難しいんです。
その後グッとフォロワー数が増えたきっかけは、恐らく『エヴァンゲリオン』のプラグスーツと『メトロイド』のサムス・アランのゼロスーツといった全身スーツ系のコスプレに着手したことですね。
あとこんなこと言ったら駄目なのかもしれないですけど、シリコンの胸を流行らせたのは僕じゃないかなって思ってます。笑
最初は首から下だけのシリコンの胸を見つけたんですけど、「見つけた!絶対にバズる!!」って!!!
そして本当にバズったので、速攻ですぐにメイクしてシリコンの胸を使った他の動画もとにかく撮りまくりました。
バズると絶対に当然二番煎じが出てくるじゃないですか。
でもその人達が僕のTwitterを見てすぐ注文したとして届くまで1か月かかるんです。
それまでの1ヶ月が勝負なので、撮りまくってTwitterにあげられるだけあげました。
このシリコンの胸ね、本当にAmazonさんにお金もらってもいいくらい流行らせたんじゃないかと思ってるんです。笑
最初は大変でした。
でも家の中で撮っているので僕の動画とか写真の背景っていつも同じなんです。
女装は日常感がある方がいい!と思ってそうやっているんですけど、スタジオ撮影している人よりは大変じゃないかもしれませんね。
あと僕、失敗しても響かないんです。
駄目だった動画は全然気にしないで「はい、駄目。次。」って笑
失敗も一つのデータになるので、今後しなければ良いだけで切り替えはすごく早い。
データと言えば、あまり気付いている人いないと思うんですけど、実は僕3ヶ月に1回同じ動画を上げているんですよ。笑
秒数は変えているんですけど、全く同じ動画なんです!
でも気付かれたことがないし、何と驚くことにファボの数は毎回同じなんです!
面白いですよね。
そういうことをトライアンドエラーで日々試しているんです。
バズるものは分析による賜物
この前女装のコスプレイヤー友達と話したら全く同じこと言ってたんですけど、大体ファボの数の10%がフォロワー数に返ってきますね。
例えば100件のいいねが付いたらフォロワーは10人増えるんです。
元々理系なんでこういうことを見つけたり活用したりと考えるのが好きなんですよね。
具体的には、まずクオリティーは高く維持する。
何でも毎日アップすれば良い訳ではなくて、人は一度でもクオリティーの低いものを目にすると離れていってしまうので、そこは気をつけています。
あとは自分のやりたいこと8割、トレンド2割という割合にしていたり、“○○の日”やトレンドに上がっているワードはそのままは使いません。
性格的に二番煎じが嫌いっていうのもあるんですけど、Twitterに溢れているので埋もれてしまうんです。
そういうワードはアレンジして使っています。
後は僕は流れを掴むのが上手くなったんですが、流れは重要ですね。
例えば19時に投稿した動画がバズったらファボなどは23時にすると良いんですよ。
バズって上がった時には触らず、その波が上がりきってから下がらないうちにファボすると色々な所で再度流れて人の目に触れるので新たにもう一波起こすことが出来るんです。
同じように流れを掴んでバズりを倍増させる方法としては“被せていく”のも良い方法です。
少し前にバニーの動画がバズったので、バニーの色々なバージョンの動画を撮って次々に被せて足すようにアップしていきました。
普通みなさんバズると「嬉しい!」って喜んでホッと落ち着いちゃうかもしれないんですけど、そこで落ちつかずに被せていくと元のバズった動画も含めて何倍にも更にバズらせることが出来るんですよ。
ありがとうございます。笑
そういう反応を目指してやっていたので嬉しいです。
僕は衣装作りとか出来ないので、他のコスプレイヤーさんが制作に当てている時間をこういうデータを見て、考えて、試すという時間に当てています。
色々楽しみながらやっていると流れとか身体に染み込んできて、最近は撮ってる時に「あ、この動画バズるな!」って分かるようになってきたんですよ。笑
Twitterは遊びの場なんでね、楽しんでます。
前編まとめ
SNS投稿をしている全ての人が聞いて良かったと思える内容だったのではないでしょうか。
全ては麗癒さんが長い時間をかけて見つけてきたHow toばかりなのですが、快く記事にして良いと言って下さいました。
お話しもとても上手で明るく、寛容で、どこまでもエンターテイナーである麗癒さん。
次のページの後編でも「フォロワー数を増やしたい方が出来ること」などなど沢山お話してくださいましたので、是非おたのしみに。
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