分かりやすくきちんと知りたい【人種差別とコスプレそして「ブラックフェイス」とは】

原文:“ Darrien Hunt was a cosplayer who was shot holding a plastic sword while in cosplay. the officers said they fired because they feared public safety. he was shot 6 times, at least four of them in the back. please help reopen his case, he still doesn’t have justice”

日本語訳:“ダリアン・ハントは、コスプレ中にプラスチックの剣を持って撃たれたコスプレイヤーです。警官たちは、彼らが公共の安全を脅かしたために撃ったと話している。彼は6回撃たれ、少なくとも4発は背中に当たっていました。彼の事件はちゃんと裁かれていないので、起訴が再開されるのを手伝ってください。”

みなさん、5月末頃からのアメリカの状況は耳にしましたか?
日本でもたくさんニュースになっていたり、SNSでも目にしているのではないでしょうか。
先日(6月2日)にはアメリカ全土すべての州で抗議活動(Protest)が起こり、全米でアフリカンアメリカン(黒人)の権利を訴える運動が毎日起こっています。(※分かりにくいかもしれませんが、抗議活動と暴徒は別物なので混同しないように注意が必要です。)
引き金となった事件は、白人警官が無抵抗な黒人男性を拘束時に窒息死させる様子がソーシャルメディアによって拡散されたことです。
このような事件は、実はアメリカでは珍しくありません。
女性、男性、成人、未成年、属性に関わらず、ただ「黒人だから」という理由で殺害され、加害側が起訴されないことは想像以上に非常に多くあるのです。

日本に人種差別はないからな…と思う人もいるかもしれませんが、差別は無意識の言動にも含まれている場合もあります。
日本人にはピンとこない理由でも人種差別に当たる場合もあるのです。
昔、飲みに行った北新地のとあるクラブで「政治、宗教、野球の話は、ホステスにはタブーやで~。」とママに言われたことがあります。
このように海外とは違って、差別に対する議論は日本では「政治」に当てはまり、政治の話は避けがちな社会ですが、このような時期にぜひ「Educate Yourself(同じ意味の言葉がありませんが、直訳すると自分自身を教育する)」の機会になればと思い、筆を取りました。
というのもコスプレにおける「ブラックフェイス」問題で、日本でもコスプレイヤーさんにとっては直面することが多くなったように思います。
コスプレで黒髪の日本人が金色のウィッグを身に着けたり、黒目の日本人がカラコンを付けるのと何が違うのか…という疑問もあって、分かりにくいこともあるでしょう。
今回は、ツイッターで拡散されたあるツイートをみなさんにシェアし、分かりやすく解説してみたいと思います。

コスプレイヤーKiwiさんの体験談

前述のようにコスプレも人種差別と無関係ではありません。
まず、あるアフリカ系アメリカ人の女性コスプレイヤー、Kiwiさんのツイートと彼女に向けられた言葉のスクリーンショットが、コスプレイヤーの中で話題を呼んでることからシェアしたいと思います。
ツイートは1000件以上のコメントが付き、現在も拡散され続けています。
ツイート上でも自動翻訳出来ますが、分かりにくい日本語になると思いますので、原文と日本語訳を付けますので、まずはご覧ください。

原文: “I want other cosplayers to know how much hate I get just cosplaying, them come and tell me that cosplaying isn’t a political statement.”

日本語訳:”ただコスプレをしているだけで、どれだけアンチがつくか、コスプレをしているみんなに知ってほしいしし、コスプレは政治的な主張と関係ないって誰か言ってやって。”

まずこのツイートと画像を見てどう感じますか?
「そうだよね!コスプレは自由だよね」と思う方もいるかもしれません。
または日本でも「キャラクターを尊重して肌の色が違うならコスプレしないで!」という意見もあるのかもしれません。
下はこのツイートに対して書かれたコメントのスクリーンショットで、黒人差別的なものが並びます・・・。
翻訳するだけでも嫌な気分になるものです。
みなさんにとって差別的なコメントと聞いて想像した通りのコメントでしょうか?それとも想像を超えるものでしょうか?
※アカウント名が違う場合も、同一人物の場合はKiwiさんと書きます
黒人差別を浴びせられた文面
(コメント冒頭、数文は本稿に無関係なただの暴言なので省略。ただ本当にかなり酷い暴言です。)

原文:“~You need to be violently raped to death and hung on a tree and set on fire! Annie isn’t a nigger! Try again when you pour acid on your fucking burnt dirty askin and you get blue eyes and blond hair! ”

日本語訳:“ボロクソにレイプされて、木にぶら下げられて、火をつけられれいいのに!アニー(彼女がコスプレしたキャラクター)は、Niggerじゃねえんだよ!酸でもかけてお前の汚い肌の色を変えて、青い目と金髪を手に入れてから出直してこい!”

黒人差別を浴びせられた文面2

原文:“I hope you’re violently raped, nigger! Annie Leonhardt isn’t a ugly ass nigger! ”

日本語訳:“Niggerめ、ボロボロに犯されればいい! アニーはドブスのクソNiggerじゃない!”

黒人差別を浴びせられた文面3

原文:“Why are you black? ”

日本語訳:“なんで黒人なの?”

Kiwiさんの返信原文: “Because I was born this way??”

Kiwiさんの返信日本語訳:“生まれつきだけど??”

黒人差別を浴びせられた文面4

コメントA原文:“Oh god, that’s creepy as hell! Nice work! ”

コメントA日本語訳:“やば!最高に気味悪い!素晴らしいよ!(気味悪い設定のキャラクターだったので、このコメントは賞賛の意味)”

Kiwiさんのコメント原文:“The creeper the better! Thank you!”

Kiwiさんのコメント日本語訳:“気味悪ければ悪いほど良いの!ありがとう!”
コメントB原文:“Its spelled “creepier” you dumb black nigger. Why dont you get off our subreddit and back to your country. ”

コメントB日本語訳:“気味悪いは“(creepier)”って書くんだよ、このアホNigger!俺らのSubreddit(匿名掲示板の板)から出てって、自分の国に帰れば?”

※注意:英語におけるNiggerは黒人の蔑称で、絶対に使ってはいけない言葉です。
使いたくはないのですが、日本語に当てはまる翻訳がないので、そのまま記載しました。

これらのスクリーンショットの投稿の後にはKiwiさんが下記のツイートをしました。

Kiwiさんの原文:“ Black Lives Matter should be important to the cosplay community. #28daysofblackcosplay doesn’t suffice. ”

Kiwiさんの日本語訳:Black Lives Matterはコスプレ界隈にも大切なことであるべき。#28daysofblackcosplayってタグだけじゃ十分じゃないよ。

Kiwiさんの原文:“ I’m not the only black cosplayer that experiences this shit, but I want to highlight what tf we have to go through. At least y’all have the privilege to cosplay without being called the n word.”

Kiwiさんの日本語訳:“私だけがこういう最低な経験をしてるわけじゃないけど、私たち黒人がどういうことを経験してるか見せたかった。少なくとも、あなたたち(非黒人)にはNワード(黒人の蔑称)で呼ばれることなくコスプレができる特権があるんだよ。”

Kiwiさんの原文:“Big thanks to those spreading this post. Thank you for giving my message a platform. Also thank you for just listening and empathizing. It helps when those in the cosplay community sit back and listen to black cosplay experiences and learn from it. ”

Kiwiさんの日本語訳:“このツイートを拡散してくれた人、メッセージをくれた人、本当にありがとう。私の言葉に耳を傾け、この気持ちを理解してくれてありがとう。コスプレ界隈にいる人たちが、黒人レイヤーの経験を聞いて、そこから学べればいいな。”

人種差別とコスプレ

さまざまなキャラに扮するコスプレイヤー
二次元のキャラクターにはそのデザインがあるので、白人風、アジア人風、黒人風などのデザインは当然あります。
コスプレをするときには、そのデザインに沿って、衣装やメイク、ウィッグを検討し、製作するでしょう。
そして、よりキャラクターに近づけたい!と努力したり、自分に似合うように少しアレンジしたりすることもあるでしょう。
人種も、性別も関係なく、好きな作品の、好きなキャラクターに扮することがコスプレの醍醐味だと思います。
Kiwiさんのようなアフリカ系の人が、白人風やアジア人風なキャラクターのコスプレをすることは、非難されることなのでしょうか?そんなわけないですよね。
どんな見た目でも、誰でも楽しめるのがコスプレですよね。
コメントを見て“想像以上にひどいな”と思ったかもしれませんが、このようなことは今回に限ったことではなく、長い歴史の中で、そして今も繰り返し起こっています。
身近な場所で起きていない日本では想像し難いと思いますが、このような具体的なツイートを見ると、いかにこの差別が根深く酷く残酷であることが少し見えてくるのではないでしょうか。
Kiwiさんの受けた被害のような、理不尽に暴言を吐いたりすることはもっての外ですが、何気ない一言にも、人種差別的な思想や発言などがないか、今一度考える必要があるのではないかと思うのです。
冒頭で黒人以外の多人種が黒く顔を塗る「ブラックフェイス」について少し触れましたが、この「ブラックフェイス」は現代の先進国の倫理観ではNGとされています。
これは黒人への凄惨な奴隷制と人種差別、その上で白人が顔を黒く塗り、黒人を揶揄してきたという歴史があり、被害者が明確な為すべきではないという考え方です。
ブラックフェイスと、カラコンやウィッグで目や髪の色を変えることの違いはこの“被害者が明確である”という点です。
このような問題が身近でない中、色々な意見を聞くと混乱もしてしまうこともあるでしょう。
そういったことの大きな要因としては、日本では学校などで人種差別について詳しく学ばないこと、人口的に非日本人が周りに少ないことや少なかった歴史も相まって学ぶ機会が少なかったことではないでしょうか。
立場が違えば自然に知ることはなく、学ぶ機会もなければ知らないまま、知らなければ考慮も配慮も出来ずその点において無意識になります。
更に誰かを傷つける批判をするのではなく、今回が学ぶ機会になれば素晴らしいのではないでしょうか。

まとめ

今回は、アメリカのコスプレ界隈で実際に起こっている、悲しい人種差別についてシェアしました。
コスプレイヤーも要注意!?ボディ・シェイミングって知っていますか?」に書きましたが、容姿をjudge(批判)したり、容姿からjudge(判断)したりすることなく、誰でも楽しくコスプレを楽しめたら素敵だと思います。

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コスプレイヤーも要注意!?ボディ・シェイミングって知っていますか?
日本にいると、人種差別について、なかなか考える機会が少ないかもしれませんが、ぜひこの機会に、コスプレ文化を通してEducate Yourselfし、コスプレを通して優しい輪が広がっていったら素晴らしいと思います。
たくさんのオタクたちが、私たちの仲間が、理不尽に差別されることなく、悲しい思いをすることなく、コスプレを楽しめることを願っています。
協力:Kiwi(Twitter:@chaoticresident

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