『Fate/Grand Order』など様々な公式コスプレイヤーも努められている-Usagi-さん。
Twitter上の名前やゲームのプレイヤーとして、彼女のアカウント名“うさぉ”さんとしてご存知の方も多いかもしれません。
「好きな事を好きなだけ」という言葉通り、コスプレをこれほどまでに全力で存分に“楽しんでいる”コスプレイヤーさんも珍しいのではないかと感じました。
その潔さに、あまりにもブレがなく、内面すらも二次元ではないかと思ってしまうほどでした。
コスプレでキャラクターを表現する際に邪魔にならないようにと、普段あまりプライベートなことを明かさないという-Usagi-さんの内面に迫ったインタビュー、前編・後編に分けてお送りします。“笑わないコスプレイヤーの素顔”も見れるかも!
【~コスプレイヤーの数だけストーリーがある~】
emoma!編集部が注目するコスプレイヤーに焦点を当てて、幼少期から現在までの人生・活動を紐解くことで見えてくる一人の人としての魅力に迫ります。
初めてはエヴァのアスカ
私は末っ子でお兄ちゃんが二人いてよく一緒に遊んでいたので、お転婆だったと思います。
小学校は地元の学校ではなく大学附属の学校に通っていました。
そこはみんな目標をもって入ってきている子達ばかりだったので少し特殊で、まわりの友達に少し関心が薄い、自立した子が多かったですね。
そのあと親の転勤でドイツへ行き、4年くらい過ごしました。
日本人学校に通っていましたが、両親がヨーロッパの色々な国に連れて行ってくれて、日本とは違ういろんな文化をたくさん学べてとても良かったと思います。
小さい頃から『セーラームーン』が好きだったんですけど、海外に行ったので見られなくなっちゃったんですよね。
たまに日本から漫画とかアニメを送ってもらっていたんですが、船便なので着くまでに時間がかかるし、関税もかかるし輸送費も高くなっちゃうんですよ。
なので漫画やアニメとかほとんど見られなくなってしまって…。
日本に帰って来てからは、その反動ですごくたくさん見るようになってハマっていった感じですかね。
地元の愛知ではほんとに普通の、“漫画とアニメを見る専門のオタク”といった感じで過ごしていたんですけど、東京に来てからただ仕事する毎日で、友達もあまりできる環境じゃなかったので、「いろんな方と交流できる場がほしい!」と思ってネットで趣味を探したんです。
その時に、コスプレをしている写真を見て「あ、やってみたいな」って思ったのがきっかけでした。
誰かに誘ってもらったとかではなく、自ら「やってみたい!やろう!」と思って始めたんです。
初めてしたコスプレは『新世紀エヴァンゲリオン』のアスカでした。
昔コスプレ専用サイトでCure(キュア)というのがあって(現WorldCosplay:https://worldcosplay.net/ja/?ref=curecos)、そこで併せ募集があったので勇気を出して連絡してイベントに参加したのが始まりでした。
その併せの主催の方がとてもいい方だったんです。
その時はCureに登録したばっかりで、コスプレ写真も一枚もなくて、プロフィールの画像もサンタ姿の自撮りだったんですけど、「初めてなんですけど参加してもいいですか?」って聞いたら、「全然大丈夫です!」って言ってくださって、撮影もすごく楽しかったです。
その方は今コスプレイヤーさんを上がっちゃってるんですけど、今でも何かあったら連絡させてもらっていて、お付き合いさせて頂いているんです。
その後も楽しくて気付いていないだけなのかもしれないんですけど、コスプレで嫌な思いとかしたことはほとんどないですね。
コスプレイヤーにとってSNSは名刺と一緒なので意識している
そうですね、有名になったという気はないのですが、コスプレを始めた頃はちょうど海外のコスプレイベントで日本人コスプレイヤーさんをゲストとして招待する企画が始まりだした時期だったんです。
その頃の私は平日も海外に行ける環境でしたし、まだ海外のイベントが怖いと思って誘われても受けない方もたくさんいらっしゃったんですけど、私は二つ返事で「行きます!行きます!」みたいな感じだったので。笑
そうしてトントン拍子でいろんな国のイベントにゲストとして行かせていただきました。
韓国とか台湾とか、大きいイベントだとシンガポールのAFA(アファ)に声優さんや歌手の方と一緒に日本から呼んでいただきました。
そういう海外のイベントで、現地のコスプレイヤーさんのコンテストの審査員や撮影会などをやらせて頂いたり、海外メディアさんの取材を受けたりしながら少しずつ国内でも写真を見られることが増えてフォロワーさんも増えていきました。
今では海外でもコスプレという文化がかなりメジャーになってきたということもあって、各国に有名なコスプレイヤーさんがいらっしゃったりするので、最近は日本からコスプレイヤーさんをゲストさんとして呼ぶ海外のイベントというのはかなり少なくなりましたね。
今は海外のイベントにはアニメやゲームの公式コスプレイヤーとして出演させて頂くことが多い印象です。
それでも過去に海外のイベントでお会いした方がFacebookでいまだに繋がってくださっていて、日本のサイトを経由して私のROMや写真集を買ってくれる方もいるので嬉しいです。
長くお付き合いが続くのはありがたいですね。
それが、私はオーディションも受けたことがなくて、明確なきっかけは多分ないんです。
コスプレを長くやっていたので、私を知ってくれている方が「キャラクターに合う人がいる」と紹介していただいたり、ほんとにタイミングだと思うんです。
ただただコスプレが好きで続けてきただけで、「公式コスプレイヤーがやりたい」という気持ちで何か動いてたり努力などはしてはいなかったので…。
同じように「公式コスプレイヤーになりたいんですけど、どうしたらいいですか?」とか聞かれたこともあるんですけど、自分のことを振り返ってみても「自分がちゃんとコスプレをするキャラクターを立ててコスプレをやり続けたら、もしかしたらキャスティングされている方がそれを見てくださって、機会が出てくるかもしれないですね。」としか言えなくて。
あとはクライアントさんが決めることであって、事務所に所属されていて積極的に営業してくれるような環境でなければ、私みたいな個人のコスプレイヤーがどうこうできることは正直あまりないと思うんですよね。
コスプレをきっかけにタレントさんみたいになりたいんだったら、別のアプローチもあると思うんですけど、私みたいに単にコスプレイヤーとしてのお仕事以外に興味がない人は、「キャラクターへの愛を持ってコスプレをし続けることが、そのきっかけになるかな。」ぐらいしか言えないですね。
ただ、気をつけているのはTwitterやSNSで変なことや、ムカついたことなどネガティヴなことは書かないようにしています。
プライベートなこともあまり書きませんね。
コスプレイヤーにとってコスプレ写真を載せるSNSのアカウントは名刺みたいなものだと思いますし、これまで採用してくださったクライアントさんもSNSを見てくださっているので。
あと、クライアントさんが求めるのは、“その子自体の人気”か、“ちゃんとキャラクターに似てる子・なれる子”かの2パターンあると聞くんです。
私の場合はキャラクターに似てる子・なれる子を使いたい場合にお声がけ頂くことが多いので、SNSでの発言にはなるべく気をつけるようにしています。
コスプレする時は、キャラクター>私
今の話しと繋がりますが、コスプレしている時は私個人ではなく、あくまで“キャラクター”であることを重視しています。
お仕事の時も、あくまでそのゲーム・その作品・キャラクターのファンの方を最優先にして、自分や自分の人間性を出すのではなく、なるべくそのキャラクターになりきることを意識しています。
『Fate/Grand Order』の公式コスプレイヤーのお仕事は私のコスプレしている姿を見て依頼していただいたのですが、好きな作品だったのでうれしかったですね。
根がオタクなので好きな作品に参加させてもらえることは本当に有り難いんです。
そういう好きな作品のお仕事だと、表に出る側では採用されていなくても、公式コスプレイヤーさんののウィッグを作ったり現場のアテンドやフィッター役をしたりと、裏方もやっていたりします。
逆に“Twitterのフォロワーがある程度多ければ誰でも良いんです”っていうお仕事や、コスプレイヤーというよりはコンパニオンのようなお仕事はDMとか頂くんですけど、「私じゃなくてもいいな」って思っちゃったりして「すみません」って謝ってお断りさせて頂いています。
そうですね。
案件の兼ね合いなどで、自分が好きなコスプレができなくなったりする状況を事務所に所属している友達から聞いたりするので、それは嫌だなと思って事務所には入っていませんね。
私はコスプレを趣味として思いっきり自分の好きなように楽しみたいので…。
お受けしたお仕事はもちろんしっかりやらせて頂きますけど、自分がお金をかけてやるコスプレは、好きなものを好きなように、例えばみんなが知らないマイナーな作品のコスプレもするし、制限なく自由に思いっきりしたいんです。
バイクの免許取得もコスプレのため?
実際にウサギも飼っていたんですけど、イベントにまだ出立ての時にフジテレビの「コスコスプレプレ」っていう番組の取材を受けたんですよ。
その時に「コスプレネームはなんですか?」って聞かれて、決めてなかったのであせって「じゃ、うさぎでいいです」って言って、そこからずっとなんです。笑
ただ“うさぎ”っていうコスプレネームの方は多かったので、初めは漢字にしていたんですけど、海外に行くと現地の方が読めないと言われてローマ字に変えて、それでもたくさん同じ名前のコスプレイヤーさんがいるから左右に横棒をつけました。
最近Twitterだと“うさぉ”って書いてるんですけど、あれはゲームでよく使うアカウント名なんです。
“うさぎ”だとどのゲームでもいっぱい登録者がいるので「この名前は使われてます」ってなってだいたい取れないんですよ。
今は“うさぉ”の名前の方を知ってくれた方も多くなってコスプレネームと違うために、みんな分からなくなってきたからか“うさ様”って呼ばれるようになってきました。
まわりからは「なんでまずは車の免許を取らなかったの?」って言われるんですけど、バイクに憧れがあったんです。
以前、海外のバイクに乗ってる女性の写真を見て「格好いい!」って思って、『美少女戦士セーラームーン』とかバイクに乗っているキャラクターもいるし何か新しいことにも繋がるかなと思ってとりました。
撮影するにも乗れるフリをするよりも、ちゃんと免許を取得して、自分のバイクを持っている方が様になるし動画も撮影できるじゃないですか。
だから免許をとったのもコスプレのためといえるかもしれません。
いまだにツーリングとかしたことなくて、ひとりだと怖くて1時間くらいの距離しかまだ走ったことないですけど。笑
でも折角なので今後は、私がバイクに乗った視点から見える景色の動画を載せるようなモトブログも新しい趣味としてやってみたいなって思ってます。
あと車の免許を更新し忘れて失効しているので、次は車の免許取らないといけませんね。
前編まとめ
中型のバイクの免許もコスプレの撮影の為に取るなど、-Usagi-さんのコスプレの為には努力をいとわない姿を少しお伝えできたと思いますが、後編では更に“好きなコスプレへ一途に向き合っている姿”が垣間見える内容になっています。
Twitterなどでもみることが出来ますが、コスプレしていない姿も綺麗で話し方もとても落ち着いていらっしゃいました。
エンターテイナーとしてファンの方を楽しませるコスプレイヤーさんも多くなってきましたが、また全く違った方向性で魅せてくれる-Usagi-さんの魅力を後編でもお楽しみください。
ギャラリー
- 1
- 2