ここからは後編です。
前編では幼少期のお話しやコスプレに興味をもったきっかけ、『Fate/Grand Order』など様々な公式コスプレイヤーも努められている-Usagi-さんからのアドバイスなどお聞きしました。
後編は-Usagi-さんのコスプレへの一途さに更に迫りました。
前編でも伝わったかもしれませんが、その想いは実はもっともっと深いもので、お話しを聞いているだけでも“好きなことにとことん向き合う素晴らしさと美しさ”が感じられます。
あまりご自身のことは話さないそうなので、後編も是非お楽しみください。
衣装の作り手さんと一緒に完成させていくコスプレ
なんですかね。衣装は自分が「この方が製作した衣装を着たい!」っていう方にお願いをして作ってもらうんです。
コスプレを始めてからずっと「この方が作った衣装で、このキャラクターをやりたい」って思うことがよくあって、そこは他の方とはちょっと違うこだわりかなと思います。
造形のありなしとかジャンルとか、衣装によって得意不得意っていうのがそれぞれ製作できる方にはあると思うので、3~4人くらいの方にお願いしています。
でも“私がやりたい衣装”というだけじゃなくて、“その中でも作ってくださる方が作りたいと思う衣装”というのが良くて、私がコスプレしたいキャラクターのリストをバーっと書き出して渡して、「私が今やりたいキャラクターはこれです。この中で作りたい衣装はありますか?」と聞いて、そこにマッチする衣装があったらお願いしています。
そうするとお互い良いとこ取りができるし、楽しく作ってもらった方が作りがいもあるでしょうし、一緒に「この生地はこうだよね」とか相談しながらすり合わせていくのも楽しいので。
自分で製作されているコスプレイヤーさんとは少し違うこだわりだと思いますが、ある意味これは私のこだわりかもしれません。
作品とか撮影とかコスプレでの悩みはないですね。自分のこだわりとの葛藤はありますけど。
まず友達があまりいないんです。
あんまり友達を作るのが得意じゃなくて、カメラマンさんも知り合いが少ないんですよ。
コスプレイヤーさんに仲が良い子もいるんですけど、プライベートでも飲みに行けるくらいの子は少ないですね。
でも逆にだからこそ、人に左右されずに嫌な思いもしないのかなと思います。
あと仲が良い子はお互いオタクなんですけど、ジャンルが違うというか、それぞれが違う好みで好きなことやっている感じで、あまり撮影で一緒になることはないような子が多いです。
それと私がお酒が大好きなので、大体酒飲みが多いかな。
ただ最近、夜中に胃痛とかしますよ。
毎年この時期ってコミケに向けて“疲れ切っている時期”ですからね。
いつも作品作りは全部自分で作業をするので、毎回「胃が痛い」ってなっているのを身体が覚えているのかもしれません。
撮影だけはカメラマンさんにお願いしますけど、写真のレタッチから写真集やROMの構成・編集・入稿まで全部自分でします。
前回は新刊は5種類だったんですけど、ROMづくりのために何百枚って表紙をパッケージに詰めたりするのも自分でしています。
昔は1作品くらいだったので、「自分でチャレンジして、全部自分でやるもんだ」って思って始めたんです。
それが有り難いことに買っていただけると、好きなコスプレをいっぱいできるようになって、結果的に作品数も増えていったんですけど、既に自分で全部やることが当たり前になっていたのでいまだに一人でやっています。
たとえばROMのためにパッケージングのサービスをお願いすると「いつまでに入稿してください」とかいろんな制限が出ちゃうじゃないですか。
知り合いの方に頼むと、誰かを家にあげたり、どこかに大量の荷物を持って移動したり…。
それに手伝ってもらった人に気を使って、そのうち苦痛になってしまうと思うんです。
そう考えると、ギリギリまで夜中とかに黙々と無心で一人でやる方が最終的に楽なんですよ。
前に冬コミに間に合わなくて、家に帰って作業すると間に合わない、会場近くのホテルはどこも空いていない、という状態になってしまって、やむをえず高級ホテルに大きな荷物とパソコンやデュプリケーターなどの機材を持ち込んで前入りして、ROMを焼いたりパッケージングしたりと作業したこともありました。
海外から旅行に来ているセレブの人達が年末を楽しんでいる中、とても豪華な部屋で一人黙々と作業していました。
でも素敵な空間だったので、作業がはかどりましたよ。
さすがにここ2~3年は作品数が増えてきたから「まわりに手伝ってもらった方がいいよ」って言われます。
ただ限界値を超えたら、それ以上は作品を出さないだけなので、大丈夫だと思ってます。
コロナ禍でコスプレする機会が減少も・・・
何をそのキャラクターのコスプレで表現したいかっていうのでも変わってくると思います。
“何を”というのは、コスプレならではの自分なりのオリジナルな表現を楽しんでもらうのか、そのキャラ自体の雰囲気をとにかく重視して再現したいのかとか、そういうことでポイントも撮り方も変わってくるので。
私はコスプレでそのキャラクターの雰囲気を重視したい場合が多いので、“キャラクターになりきる”っていうのもですけど、ロケーションも重要だと思っています。
これ(上記作品)もそうですけど、いろんな衣装のバージョンがあって、これはいわゆる“エンドコンテンツ”って言われてる物で、プレイヤーも強くないと取れないんです。
そういう強くなったキャラクターの存在感、「もう終盤ですごい力つけてます!」「ランク200くらいです!」っていうような雰囲気を出すために、この背景を選んでロケに行きました。
この時は(上記作品)、かっこいい赤い車に乗るキャラクターの再現をしたくて、演出として高級感のある左ハンドルの車が必要だったんです。
イメージを元に考えると「手配しやすいけどベンツじゃないな…」とか探していって、一番イメージに合うジャガーを見つけました。
なかなか良い感じのジャガーを貸してくれるところがなくて、すごい探したりしたんですけど、「このキャラがこうだから、こういう感じで撮りたい」っていうイメージを再現するには、必要だと思っているのでこだわりました。
ロケの場所も汐留のイタリア街が合っているなと思ったので、撮影許可を取りました。
カメラマンさんとか車を手配してくれた方が運転席と助手席に座って、私はこのオープンカーの後ろの席で体育座りしてロケ地まで行って、1〜2時間でイメージしてた写真が撮れたので、満足して帰りました。
まわりからは「かけてるお金を考えると、これ趣味かよ!?ってなる」「こだわり過ぎて、働いたお金すべて衣装やロケにかけているから、もったいないと思う」って度々言われますけど、自分のお金を使う趣味のコスプレはイメージに合うように、なるべく妥協せずに思いっきりしたいんです。
『ツイステッドワンダーランド』の併せに誘われて、男装をする機会が少なかったので「ひさしぶりに男装で好きなキャラクターのコスプレが出来る!」って思ってたんですけど、コロナの影響で出来なくなっちゃって…。これは残念でした。
ただその他は普段から引きこもりなので影響は特になく、いつもと変わらない感じでしたね。
あといつも衣装とかスタジオ代にお金をかけていたことがわかりました。「コスプレしないとこんなにお金使わないんだ!」ってあらためて気づきました。
作品のイメージにマッチしていると嬉しい
それが日々「やりたい!」と思ったことを次々とやっているだけなので、特にないんです…。
あと昔から好きでやりたかったコスプレが「今なら出来る」と思ってやることもありますね。
例えば『少女革命ウテナ』っていう作品なんですけど、一人二役で構成した撮影を10年前からやりたかったんですけど、ずっと自分が満足できる表現ができないなと思ってやらずにいたんです。
でも今だったらカメラの技術だったり、合成の技術だったり、衣装を作ってくれる方だったり、まわりにすごく支えてもらえるようになったので「今なら出来るかも」と思って、作品にしたんです。
京都に撮影に行ったり、合成でできるところを実際に苦労して表現したり大変でしたけど、やっと撮影できました。
作品にはしていませんが、『美少女戦士セーラームーン』もようやく撮影することが出来たんです。
これも好き過ぎてなかなか自分が満足できる写真にならないだろうと思って出来なかったんです。
今のおすすめは『オーバーロード』かな。繰り返し繰り返し見てますね!
『オーバーロード』は元々小説で、アニメは3期までやっているので結構前からの作品です。
小説も寝る前に繰り返し読んでます。
あと比較的新しい作品なんですけど、『メイドインアビス』っていう映画です。
バイブル的な作品って聞かれると、やっぱりさっき話しに出た『少女革命ウテナ』です。
まずはカメラマンさんから写真が届いた時、イメージしたものとそれがマッチしていると嬉しいです。
次は写真集やROMが完成した時、そしてその感想を聞けた時ですかね。
女性からの感想は特に嬉しいです。
『少女革命ウテナ』は女性の方が喜んでくれると思ってたんですけど、男性も買ってくれる人が多くて感想もいただけてうれしかったですね。
こういう最新の流行りではない作品やマイナーなアニメとかゲームのコスプレも好きなものは出しているんです。
それで作品自体は知らなくても、私を知っていて買ってくれて、そこから作品に興味が湧いたって言ってもらえるのは嬉しいですし、逆に「あ、この作品懐かしい!」って、私のことを知らない方が作品を手に取っていただき、後で感想くれた時とか「やってよかったな」ってすごく嬉しいですね。
まとめ
一流のコスプレイヤーさんにお話しを伺うと、必ずといっていい程、素晴らしく突出した部分があり、作品の完成度や美しさの秘密を感じるのですが、-Usagi-さんも他のコスプレイヤーさんとはまた違った、コスプレと真剣に向き合う唯一無二な姿勢を見せてくださいました。
インタビューでも声の抑揚や表情豊かに語るというよりは、とても落ち着いて静かにお話ししてくれたのですが、その淡々とした姿も、絶えずコスプレする時のキャラクターを想って慎重にお話しされているようで感動しました。
「引退ということもなく、感性が変わったりして好きな作品がなくなった時にパッとやめるんだと思います。」とおっしゃっていましたが、インタビューでお聞きした限りは、永遠にコスプレと向き合っていかれるのではないだろうかと思い、それがまた新たな楽しみになりました。
今後も深く長く活躍される-Usagi-さんの姿を、作品を通して見るのが楽しみでしかたがありません。
ギャラリー
-Usagi-さん直筆サイン入り写真集&ROMをプレゼント!!
※この企画は8月11日の応募締切をもって終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
-Usagi-さんが直筆サインした写真集とROMをセットで1名様にプレゼント☆
応募方法は下記のカンタン3ステップ!
② 下記の-Usagi-さんの特集記事のツイートをRT
③ emoma!の公式アカウントへ『-Usagi-(うさぎ)さんのプレゼント希望』とDM
-Usagi-(@usagicos)さんの後編です。
前編に引き続き『好きなことにとことん向き合う素晴らしさと美しさ』を感じられる彼女の魅力が満載の後編です【写真多数あり】
最後には写真集とROMのプレゼントあり☆是非ご応募ください!https://t.co/jz4oytx3fU— emoma! (@emoma_cosplay) August 4, 2020
応募締切
2020年8月11日(火)23:59まで。
(上記①~③の全てを行ってください。)
当選者発表、および賞品の受け渡し
・応募締切後、ご当選者のみにTwitterのDMでご連絡します。当選のご連絡後48時間以内に返信いただけない場合、当選無効となります。
・ご当選者の方に発送の為、住所やお名前等の個人情報をお聞きいたします。その後3日以内(土日祝を除く)に郵送にて発送します。いただいた個人情報は目的外には使用いたしません。
キャンペーンに関する注意事項
下記をよくお読みいただき、ご同意の上、ご応募くださいますようお願いいたします。
・応募するTwitterの鍵アカウントでの応募は無効とします。
・Twitterのダイレクトメッセージを受け取れる環境にしておいてください。
・ご当選者様のご都合による返送はご遠慮ください。
・本キャンペーンは、予告なく中断・中止・変更等する場合があります。予めご了承ください。
・ご応募される方は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・同一アカウントで複数の方のご応募はできません。
ご応募お待ちしております。
- 1
- 2